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2007年06月11日

新ジャンル「白骨」

http://wwwww.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1181486664/

1 :VIPがお送りします。:2007/06/10(日) 23:44:24.33 ID:PdP2yXtN0
白骨:お、お弁当作ってきたの……。
    舌は風化しちゃったから、その、味見してないけど……がんばったよ。

3 :VIPがお送りします。:2007/06/10(日) 23:45:33.44 ID:Z8RCVRug0
白骨:最近のワンピース酷いよね、わっちのパクリやないけ

4 :VIPがお送りします。:2007/06/10(日) 23:46:00.40 ID:qGiHAVuY0
面白くないな

6 :VIPがお送りします。:2007/06/10(日) 23:58:05.22 ID:Pp5k3aOW0
どうやって骨に萌えろとwwwww

7 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:09:06.22 ID:zQRIxLW90
>>6
彼女は俺に気付くと、手を振りながら走り寄ってきた。
「ご、ごめんねっ、ちょっと遅れちゃった」
そう言って、ぺこりと頭を下げる。頭蓋骨に接着された赤いリボンが、あわせて揺れた。
「いや、今来たところだから」
「ほんとう? でもごめんね」
上目遣いでこっちを見上げている。
彼女が関節を動かすたびに鳴る、カスタネットのような軽やかな音が耳に心地いい。
陶器のように白く滑らかな骨が、夏の陽光に照らされて、いつもより一層まぶしく思えた。

こんな感じでいけば萌えれそうじゃね?

5 :VIPがお送りします。:2007/06/10(日) 23:47:06.39 ID:PdP2yXtN0
頭蓋骨に大きいリボンとか、結構可愛いと思ったんだけどなあ。

10 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:17:34.14 ID:l0ObTCgh0
>>5
20070611a01.jpg
望む?

11 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:18:53.14 ID:zQRIxLW90
そう! こういうのこういうのwwwww

15 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:30:11.06 ID:l0ObTCgh0
20070611a02.jpg
本当に望む?

16 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:34:18.03 ID:zQRIxLW90
>>15
望むともさ!

14 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:29:38.95 ID:xk5ykr4S0
ようするにいまワンピースに出てるあいつかと思うと、微妙な気分になった

13 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:27:55.22 ID:PgNryLQ3O
女「あー、寒さが骨身に滲みるねえ」
男「そのギャグに、俺はあえて何も言わないからな」
女「こういう日は熱いお風呂に入りたいよね」
男「お湯がスープになりそうだな」
女「あははっ、それを近所のラーメン屋さんに売ってたりして」
男「お前、俺がそこの常連だって知ってて言ってる?」

44 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:18:50.89 ID:u7qs3ihP0
男「あ、すげーこのスープ美味い!」
骨「ほんと? うれしい、がんばってよかったー」
男「うん、今までに飲んだことのない味。なんのダシなのこれ?」
骨「えへへ、ナイショ!」
男「ところで、お前の大腿骨一本なくなってるよ?」

20 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:52:49.22 ID:PgNryLQ3O
女「男くんお願い! 粘土買って!」
男「そんなもの、何に使うの?」
女「肉付けだよ。私の骨に粘土をたくさんくっつけて、ちゃんとした人間みたいに形作るの」
男「ふーん。まあ、ちょっとくらいなら金出してやるよ」
女「ありがとー! お礼に、胸は男くんの好みで作るからね!」
男「色んな意味であんまり嬉しくないな、それ」

22 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:00:54.35 ID:RfVbMime0
>>1おまえっ!案外いいじゃないか

30 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:36:38.41 ID:PgNryLQ3O
女「男くん、食べる時は小骨が刺さらないようにね?」
男「何の話だ」
女「目の前のおいしそーな女の子の話」
男「エロ話か。しかしどこに食うトコがあるというのか」
女「んー、体にベーコンでも巻こうかしら、ミイラ男風に」
男「犬くらいしか食わないだろ、それじゃ」
女「でも、グッと肉感的に……」
男「いや、肉そのものだろ」

39 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:00:21.26 ID:PgNryLQ3O
女「男くーん、当てられた問題がちょっと分からなかったからって先生に怒られたー!」
男「そうか、大変だったな」
女「そうだよー! あーもうむかつくー! イライラするー!」
男「お前って結構怒りっぽいな。落ち着けって」
女「怒りっぽくないよ! 全身カルシウムの私になんて事を!」
男「……ああそうか、栄養が偏ってるから落ち着きないんだ」
女「だから、カルシウム以外何にも要らない体だってば!」

47 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:25:23.18 ID:PgNryLQ3O
男「あーあ、今日の体育はマラソンかー」
女「ふっふっふ、私の時代がやってきたね」
男「あれ、お前マラソン速かったっけ?」
女「今までは違ったよ。でも、この軽量ボディ!」 ばん!
男「骨だからな」
女「空気抵抗の無さ!」 ばばん!
男「骨だからな」
女「今の私ならそこそこ速い!」
男「あれ、そこそこ? その体なら一位を狙えるんじゃないか?」
女「だって筋肉無いしさ」
男「ああー」
女「走った後、筋肉痛にならなきゃいいなー」
男「おい、今言った事といきなり矛盾してるぞ」
女「筋肉痛は気持ちの問題じゃーん」

42 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:14:07.35 ID:6H3E4aj60
友「男、頼む! うっかり落としてしまったんだ」
男「いいけど、何を落としたんだ?
  肋骨? 尾骶骨?」
友「俺が骨だからって、そんな野暮なもの落とさないぜ」
男「だよな、警察が見たら死体遺棄事件認定されるしな。
  で、何を落としたんだ?」
友「コンタクト」

男「は?」
友「最近、近視気味だから入れてみたんだが、眼窩からポロリと落ちてしまってな。
  おまけに見えないものだから、どこにあるのか分からん」パリンッ
男「頼むから自分が白骨であることに自覚を持ってくれ。
  あと、今一枚踏んづけたぞ」

43 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:15:12.72 ID:k53T1iYAO
ガイコツがコンタクトwwwwww

63 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 03:03:08.88 ID:M9CIcJuoO
帰り道にて
ボキッ
女「あっ足が!!」
男「大丈夫か?」
女「平気平気、明日には治るよ」
男「そうか、まあ家まで送るよ」
女「あ、ありがと」

翌日…
男「おはよう女、足治ったのか」
女「うん、危うく捕まるとこだったけど…」
男「捕まる?」
女「な、なんでもないよ!ほら早くしないと朝のHR遅れるよ!」
男「お、おう」
男「?」

朝のHR
先生「皆さん。昨日の夜理科室で盗難事件が起こりました」
男「まさか!!」

67 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 03:26:02.16 ID:PgNryLQ3O
男「おい、俺のゲームのセーブデータ消したのお前か?」
女「へんじがない。ただのしかばねのようだ」
男「俺が貸した漫画汚しただろ?」
女「へんじがない。ただのしかばねのようだ」
男「俺のヘッドホン、踏んで壊したな?」
女「へんじがない。ただのしかばねのようだ」
男「ところでケーキ食う?」
女「食べる!」
男「……お前、何か物食えたんだっけ?」
女「た、食べられないけど、つい反射的に!」





12 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:25:41.24 ID:zQRIxLW90
彼女には肉が無い。
だからといって死んでいるわけでもない。
いつも嬉しそうに骨を鳴らして、毎日をそれなりに楽しく過ごしている。

事の起こりは、中学の修学旅行で水族館に行ったときのこと。
水族館の危機管理の不備、そして彼女自信の危機回避能力の無さが見事に手を組んだ、それはそれは悲しい事件だった。
「みてみてーピラニアだ♪ ピラピラコンニチワー!」
床が水槽になっていて、足元にピラニアの群れが泳いでいる。
「ねーすごいねー、ガラスなのにジャンプしても大丈夫大丈夫ダパンプ!」
砕け散るガラスと水しぶきの向こう――学校一の美少女と呼ばれた彼女の姿を見たのは、それが最後だった。

17 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:38:24.03 ID:zQRIxLW90
彼女は病院で目覚めて、開口一番そう言った。
「あ、助けてくれてありがとう! あぶなかったよー」
「助かってねーじゃねーか」

命がけで男が水槽から彼女を引きずり出したとき、彼女の肉は一片も残さずピラニアに食い尽くされていた。
周囲のどよめきを他所に、男は必死で残った骨を病院に運んだ。
制止しようとする関係者を全て振り切り、全身骨折で入院した男をベッドから引き摺り下ろして廊下に放り出し、
まだ暖かいベッドに、夢中で骨を並べた。
「……」
そこで骨をかき抱き、絶叫して気絶したその後のことだ。

「命があるだけめっけもんだよ!」
「なんで?」
「私、今日の星占い1位だもん」

その場に居合わせた医師は、まだ自宅に引きこもったまま立ち直れずにいるという。

18 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:44:43.07 ID:zQRIxLW90
こうしてわが国は美少女をひとり失ったわけだが、命を拾ったのは良いことだ。
水族館からのお詫びのイルカボールペンを嬉しそうに指で回す彼女も、今は高校生。
彼女を助けた少年は、遠回りな責任を感じて彼女から離れられず、バカになったつもりで彼女と同じ高校に進んだ。
そして今。

21 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 00:57:11.84 ID:zQRIxLW90
「お弁当つくってきたの!」
昼休み食堂に行こうと席を立つと、彼女にくいと袖を引っ張られた。
「味見は構造上できてないけど、早起きしてがんばったよ」
指を組んでカシャカシャ鳴らしながら、少しだけ俯いて、白骨少女はそう言った。
彼女が食事という習慣を忘れて、もう1年以上が経過している。
正直不安だ、しかし――。
「ア、アリガトウ、トテモ嬉シイヨ!」
少年はとてもいい笑顔で、彼女の手提げを受け取った。

23 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:07:27.94 ID:zQRIxLW90
「あ、思ったよりまともだ」
たまご焼き、野菜炒め、鶏肉の煮物にアスパラガスのベーコン巻き。
色とりどりのおかずが、女の子らしい丸い弁当箱に、片寄らずに並んでいる。
ミートボールにはプラスチックの楊枝。意外とマメだ。
「思ったよりってなによー」
「いや、不器用なイメージがあるからな、お前」
「しとぅれーな」
ご飯は別の容器に入れてあった。
「キミはいっぱい食べるからさ」

24 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:16:10.18 ID:zQRIxLW90
「いや、でも安心した。消しゴムを食うぐらいの覚悟はあったんだけど」
「食べたいなら自分のをどーぞ」
声のトーンは落としていても、指先が膝蓋骨の横でせわしなく動いている。
「じゃあ食べるよ」
「うん」
腕を内側によせて、体をそわそわさせている。
骨が肋骨を引っ掻いて、ギロのように音をならした。
「いただきます! じゃあまずたまご焼きを」
「キミは甘いの好きだからさ、甘くしといたよ。すごく甘いんだよ」
綺麗な黄色のたまご焼きを、半分齧った。

そのとき――歴史が動いた。

26 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:26:29.00 ID:zQRIxLW90
「どうしたの、顔がクビを宣告されたときのウィレム・デフォーみたいになってるよ」
滝のような汗を流しながら、少年は動かない。
「え、味、へんなの?」
手の甲に、磨かれた大理石のような冷たさを感じて、少年は我に返った。
彼女が不安な面持ち(予想)で、少年の手に指骨を重ねていた。
「ふぁふぁふふふぃふふぃふふぁ」
「飲み込んでよ」
少年は絶望的な表情を浮かべた後、たっぷり30秒使ってノドをくねらせて、それからやっと口を開いた
「……科学部部員いるか?」
「呼んだかね!」

27 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:28:07.88 ID:zQRIxLW90
ひょっとすると、今だれもいない?

28 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:30:12.74 ID:zQRIxLW90
もういいよ! 孤独に続けてやるさ!

29 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:30:42.29 ID:k53T1iYAO
俺がいる

32 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:38:59.46 ID:zQRIxLW90
>>29
良かった! かなり安心した。

31 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:38:11.75 ID:zQRIxLW90
「BTB液を」
「ほいきた」
ビーカーに注がれた緑色の液体に、残ったたまご焼きをちぎって放り込んだ。
「あっ、ひどい!」
緑色の液体は、たまご焼きと同じ色――綺麗な黄色にたちまち染まった。
「あ、たまごの色が溶けてるー」
彼女がかちゃりと手を叩いた。頭蓋骨に接着した赤いリボンが、楽しげに揺れる。
「って違うわーっ! お前たまご焼きに何を入れた!? ひどいのはお前だッ!!」

33 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:50:05.43 ID:zQRIxLW90
「何って、おしょうゆでしょ、それにお砂糖でしょ、それから……」
そう言うと、手を大腿骨の間に手をはさんで俯いた。
「それから?」
汗を拭きながら少年が言葉を促すと、彼女はますます体を縮ませる。
肩に頬骨を隠して、上目遣いに少年を見上げた。
「愛、かな?」
「科学部員ーッ!!」
名も無い科学部員は、腰に手を当ててビーカーの中身を勢いよく飲み干して言った。
「クエン酸だねこれは」

34 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:53:49.24 ID:k53T1iYAO
クエン酸てwwwwww

36 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 01:58:45.16 ID:HRvSGePC0
>>33
バーローwwwwww

38 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:00:15.47 ID:zQRIxLW90
「飲んでいるううう!!」
「BTB溶液は人体に無害だからね」
科学部員Aは、爽やかな笑顔で口元を拭った。
「ってクエン酸?」
「あ、そういやお母さんがポット洗ってるって言ってた! じゃああれ、お砂糖じゃなくて……」

オンナノコガ、ボクニオベントウツクッテクレタノ
デモネ、コレハムリ
ボクハ、マホウビンジャナインダヨ?

二本の箸が、あまりにも重い。
そっと、弁当箱の上に乗せた。
「では今回はご縁が無かった言うことで、おひらきにさせていただきたいと」
「信じられない!」
クラスメイトの女子がいつの間にか群れを成していた。

41 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:12:36.81 ID:zQRIxLW90
いつの間にか、白骨少女と少年の周りを囲むように、女子が集まっている。
「サイテー」「ホネコちゃん頑張って作ったのに!」
「いや、お前ら一口食べてみろよ、世界観変わるぜ」
「今度は他人に回そうとしてるわ!」「この逆ハイエナ!」
「なにその斬新な罵倒!」
「体内にこびり付いた茶シブを洗い流してあげようというホネコちゃんの好意が分からないの!?」
「俺はヤカンか!宿直室にある茶色いヤカンか!」
「……いいよ」
「へ?」
少女は俯いて、自分の鎖骨を指先でコツコツと叩いた。
「ごめんね、変なもの食べさせちゃって。でもね、わざとじゃないんだ。
キミが嬉しい顔してくれたら、それでいいと思ってたんだ」
そう言うと、おどけて首を傾げて見せた。
表情は読み取れないはずの頭蓋骨。しかし、空になった眼窩が不思議と少年を引き付ける。

48 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:25:30.73 ID:zQRIxLW90
「また、懲りずに作るよ。でも今度はお母さんに手伝ってもらうから。次はちゃんと、できると思うから」
その言葉で、ざっと血の気が引いた。
彼女はもう食事をすることはできない。それでもこうやって、俺のために弁当を作ってくれた。
けして手に入らない、高価な宝石を磨く仕事、そんなものを連想して、ぞっとした。
そして、そんなものに彼女をなぞらえた自分に改めて気付いた。
「……どうしたの」
引いた血が、昇った。
少年は一度置いた箸をしっかと掴んだ。
幼稚園だと先生に注意されるような持ち方で。
「あ、あの」
「うううううううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

52 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:34:45.80 ID:zQRIxLW90
それはもう、少年は飢えた狼のように弁当箱に喰らいついた。
「はがほぐひぐほぐはぐ!」
「やめて、胃に穴が空いちゃう!」
「胃に穴がナンボのもんじゃい!」
米粒ひとつ残っていない弁当箱を、勝利の証のごとく宙に掲げた。

「肉一片も残さずに!生きてる女がここにいるじゃねえか!!」

56 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:43:34.52 ID:zQRIxLW90
白骨少女の肩甲骨を掴んだ。
「ひゃぅん!」
少女の体ががしゃりと跳ねる。
「ホネコッ!」
「う、うん」
弁当を食べてもらった嬉しさよりも、彼女には少年の具合が気にかかる。
頭蓋骨の赤いリボンが、不安げにしなだれている。
「う、うまかったぜ、お前の…弁当……」
「あ、ありがと、でもキミ……」
少年は、弁当箱を掲げたまま、椅子に崩れ落ちた。
「だ、大丈夫ッ?」
「燃えた……燃え尽きたよ…真っ白に……な……」
丸い弁当箱が、床で跳ねた。

57 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 02:52:20.55 ID:zQRIxLW90
「漢だッ、奴は漢だ!!」
「無茶しやがって……」
クラスメイトが、少年に駆け寄った。
少年はすっかり色が抜けてモノクロになっている。
「私達は、あなたの勇姿をけして忘れないわ」
「壁新聞にお前のこと書いてやる!」
皆の言葉が飛び交う中、白骨少女は少年の手を強く握った。
「私が……私がお弁当なんて作ったから……」
「んん……」
「気がついた!?」
「うう……」
少年が、小さく呻きながら、目を開いた。

62 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 03:03:01.22 ID:zQRIxLW90
「お……」
「お?」
穏やかだった少年の顔が、情けなく歪んだ。
「おなかいた〜〜い〜〜」
その場にいた全員が、ほっと胸をなでおろした。
ひぐひぐと情けない声を出しているぐらいなら、命に別状は無いだろう。
「科学部員さん、どうしよ」
科学部員Aは、白い歯をキラリと光らせた。
「牛乳を与えるといい。クエン酸の刺激を中和してくれる」
「さすが科学部員だぜ!青春を研究に売り飛ばして酸っぱく生きてるだけのことはある!」
「良かったな、祖国に帰れるぞ!」
「よかった、たすかるんだ! ホントにごめんね!」
いつの間にか、少女の膝に頭を乗せていた。
冷たい大腿骨が、首筋に当たって気持ちいい。
汗に濡れた少年の額を、少女は指骨で優しく撫でた。

64 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 03:14:34.22 ID:zQRIxLW90
「牛乳買って来たよ!」
クラスメイトが、パックの牛乳を持って駆けつけた。
「さあ、早く飲んで」
ああ、牛乳ってこんなにおいしかったんだ。
あっという間に、少年は200mlを飲み干した。
「ホントに、ごめんね」
「いや、こっちこそ……」
「え?」
「いや、なんでもない」
自分の馬鹿げた空想は、口に出さずにおいた。
「それよりさ」
少年は、白骨少女の頬骨を、すっと撫でた。
「また、作ってくれよな、弁当。うまかったらさ、俺もお前に何か作ってやるよ」
「……ありがとう」
指骨が、もう一度少年の額をなでる。
それだけで、頑張ってアレを食べてよかったと思えてくるから不思議だ。
「……」
気のせいだろうか。
少年には、落ち窪んだ彼女の眼窩が、少し濡れて光っているように見えた。

おわり

66 :VIPがお送りします。:2007/06/11(月) 03:19:12.49 ID:zQRIxLW90
てか深夜にこんなに頑張って俺は何やってたんだろ
posted by キティ at 23:02 | このエントリーを含むはてなブックマーク | Comment(26) | TrackBack(0) | 〆(・ω・ ) ヨミモノ
(「・ω・)「 お世話になってるヨソ様ー
海の幸 (VIP)
山の幸 (etc)


この記事へのコメント
  1. イイホラーダナー
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月11日 23:06
  2. 凄く面白かったとしか言いようがないなw
    斬新過ぎるwwwwwww
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月11日 23:42
  3. まさに新ジャンルwwwwww
    でも骨はねーよwww
    Posted by ぬるぽ at 2007年06月11日 23:58
  4. どうしてもブルックさんが頭に浮かぶ…w
    Posted by at 2007年06月12日 00:29
  5. これは賞賛せずにいられない
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 00:35
  6. 泣いた
    Posted by at 2007年06月12日 00:57
  7. 天野月子の骨聴けばいいと思うよ!
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 00:59
  8. なんという新感覚ホラー
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 01:08
  9. ※3
    ガッするのマンドクセ('A`)
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 02:00
  10. 何か見た事のあるような文体なんだが・・ 気のせいだよな? あは、ははは
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 06:03
  11. …緑…化?
    Posted by at 2007年06月12日 10:16
  12. すげーラノベ臭がしたんだが気のせいだよな
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 11:40
  13. 科学部員wwwwww
    Posted by at 2007年06月12日 15:06
  14. でも萌えないwwww
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 19:22
  15. ダパンプワロタwwwww
    Posted by at 2007年06月12日 19:53
  16. コープスブライド思い出した
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 20:00
  17. 文章力ありすぎワロタ
    テンポもいいし素人じゃあないな
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月12日 22:45
  18. >>11
    緑化じゃないだろwww

    でも面白かったなw発想が天才www
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月13日 00:00
  19. これはいいからどろ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月13日 00:00
  20. ( ^ω^)すごいお
    Posted by at 2007年06月13日 00:15
  21. 科学部員www
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月13日 06:40
  22. 最後に>>1が我に返るのがまたいい!!
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月13日 18:20
  23. むかし課題で作った「骨じじい」の絵本思い出した。しんみりした。
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月13日 20:06
  24. ワンピースのアフロ骨を思い出した
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月14日 03:52
  25. あれ・・・・ついに骨に萌えだしたな・・・・・・俺末期・・・・・・・
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月14日 21:43
  26. 誰も言わないなら俺が言う。
    虹の翼。
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年06月16日 11:12
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