前半からの続き
206 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:31:11.94 ID:uqgts2gC0
ラフマンはその辺の葉っぱをちぎって、いそいそと尻を拭いていた。
遠目から見て、非常に情けない姿だった。
でも・・・悲しいけど一応戦士なのよね・・・。
ラフマン「おい。ホイミン。」
『はい?』
ラフマン「な・ん・で・も・な・い!!呼んだだけだ。はっはっはw」
『・・・・。』
このう●こピンクヒゲは何を考えているのだろうか。
怒りでクラクラしてきた。
209 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:35:57.37 ID:uqgts2gC0
次の日。思いがけない事態が起きた。
ラフマンが塔に行こうと言い出したのだ。
私は驚きを隠せなかった。
ラフマン「しっかり薬草は持ったか?ホイミン。」
『は、はいっ!大丈夫ですっ!!』
ラフマン「それでは行くとしよう。気を抜くのではないぞ?」
『了解です!!』
ああ・・・この感じ。
これが私の求めていたものだったんだわw
やっと王宮の戦士ラフマン様も気付いてくださったのかしら。
私の前を行く大きな背中を見ながらそう思った。
ラフマン様は・・・私に見られないと思ったのか。それともモンスターだからいいと思ったのか。
鼻をほじって壁にこすりつけながら歩いていた。
私は見て見ぬフリをした。
211 :電話番(大阪府):2007/04/02(月) 13:38:00.44 ID:86c7C41d0
最後の3行wwwwwやっぱりかwwwwwwwww
210 :都会っ子(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:37:51.92 ID:U4lVgP4s0
ラフマン最悪wwwwwww
213 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:42:20.62 ID:uqgts2gC0
ついに私達は戻ってきた。
この忌々しい塔に。
塔に到着するなり、ラフマンはそこら中の壁を調べ始める。
何か仕掛けがあるのだろうか。
私には全然そんな発想はなかったわ。さすがはラフマンw
ラフマン「ホイミン。何をしておるのだ。手伝え。」
『は、はいっ!w』
この人もやる気になってくれたんだ。
そう考えるととても嬉しかった。
どう考えても何もなさそうな壁を1時間くらいスリスリしていただろうか。
『あのぉ・・・そろそろ行きませんか?』
ラフマン「ぬ。お前はわかっていないようだな。」
『へっ?』
ラフマン「歩かなければ敵に出会わんのだよ。これ常識。」
『そ、そうなんですか。』
ラフマン「これくらいは覚えておいて損はないぞ。がっはっはw」
この人は変わっていなかった。
215 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:49:01.82 ID:uqgts2gC0
私は提案してみる事にした。
『レベル上げをしてみてはどうか』と。
どう考えてもレベルが低いのではないだろうか。
戦闘の半分は逃げ出すし、これではダメだと思ったから。
するとラフマンはこう言った。
ラフマン「なぁに。私がその気になればどんな魔物でもイチコロだぞ?w」
『は、はぁ・・・。』
ラフマン「ぬ。信じてない顔だな?」
『信じてないというか・・・。』
ラフマン「しかし、どういうわけか魔物がいきなり襲いかかってくる事が多いのだ。武士の心も知らん連中だ。」
こんな全身ピンクのオヤジがウロウロしていたら目立つだろうに。
魔物がすぐ見つけるのも無理はないと思った。
この兜と鎧は自分で買ったものなのだろうか。
センスを疑うわ・・・。正直に言うとダサい。
216 :電話番(大阪府):2007/04/02(月) 13:52:49.37 ID:86c7C41d0
もうあの頃の純粋な心を持ったホイミンは死んでしまったのですね・・・w
217 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:53:38.71 ID:uqgts2gC0
その時、大きな羽音が聞こえてきた。
この音は・・・・!!!!
おおにわとりだ。間違いない。
とりあえず前方で鼻をほじっているラフマンに知らせる必要がある。
私1人では倒せない。相手は複数なのだから。
私は叫んだ。
『近くに魔物がいます!!』
するとラフマンは言った。
ラフマン「ぬ?お前のことか?がっはっは。大丈夫だ。もう慣れたわww」
鼻に入っていた指をこっそり舐めながらまた歩きだすラフマン。
もうこの人についていくのやめようかな…。
220 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 13:59:54.33 ID:uqgts2gC0
その直後。
おおにわとりが私に向かって舞い降りてきた。
痛みが触手を走る。
情けないけど、助けを呼ぶしかなかった。
『ラ、ラフマ・・・!!』
ラフマン「ぬ!?ホイミン!!」
『た、助けてくださぁい!!』
ラフマン「待っておれ!すぐ行くぞ!!」
剣を構えるラフマン。
ああ・・・やっぱり私を助けにきてくれる時のラフマン様は素敵////
普段はあんなのでも、私は本当のあなたを知ってますから。
もし人間になったら…私////
いけないいけない。
頬を染めすぎるとベホマンになってしまう。
正気を取り戻し、もう一度ラフマンの方に目をやると
彼は近くに置いてあった壺を覗き込み、中に入っていた種をポリポリ食べていた。
ラフマン「ぬぅ!!1しか・・・!!」
は、早く助けて・・・。
223 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 14:06:03.01 ID:uqgts2gC0
おおにわとりAとBが喋る。
A[おい。あのピンクのオヤジ。あれも殺るのか?」
B「しょうがないだろ・・・ボスに怒られるしな。」
A「なんか臭いぜ?アイツ。できればさわりたくないんだがな。」
B「仕方ない・・・ジャンケンで負けた方があいつと戦うことな。」
A「まじかよwww負けたらもう生きていけないwww」
私達の目の前でジャンケンを始めるおおにわとり。
そんなにラフマンが・・・苦手ですか;
ラフマン「ぬ!どうした!怖気づいたか!!がっはっは!!w」
224 :作家(宮城県):2007/04/02(月) 14:08:32.95 ID:Jpu60flu0
ラフマンって…アレ?確か王宮最強じゃなかった?
225 :レースクイーン(愛知県):2007/04/02(月) 14:24:14.11 ID:SjYzf0+00
兵士A「お前王宮最強だからピンクの鎧なwwwwwww」
ラフマン「え、ピンク・・・皆と同じのがいいんですけど・・・」
兵士B「うっせ最強なんだから目立たないとだめだろwwwwwww」
兵士C「うはwwwwwwテラピンクwwwwwwwwwwwww」
みたいな流れがあったと予想
226 :作家(宮城県):2007/04/02(月) 14:34:55.80 ID:Jpu60flu0
>>225
それラフマンじゃねえ 俺じゃん
229 :養豚業(樺太):2007/04/02(月) 15:08:22.96 ID:kfMuif6oO
>>225
ラフマンイジメられてるwwww
265 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 20:55:38.42 ID:uqgts2gC0
おおにわとりが言った。
A「お前どうしてあのピンクオヤジと一緒にいんだよ。」
B「俺らと遊ぼうぜwなーw」
二匹のニワトリに挟まれてしまった。
い、いや・・・助けて!!
私はあなたたちみたいな鳥には興味ないの!!
私は・・・私は・・・!!
また目が霞む。
いけない。ここで泣いちゃいけない。
ぐっと力を入れて堪える。
その時、大声が塔内に響いた。
ラフマン「私のホイミンに手を出すなぁぁぁぁ!!!!!」
266 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:00:55.44 ID:uqgts2gC0
驚いて声の先を見る。
そこには私がいつか見た・・・桃色の光を身に纏った戦士が立っていた。
そう。私があなたと初めて出会ったあの薄暗い洞窟。
あの時あなたに感じていたものは・・・きっとこれだったのね。
A「なんだ?びっくりするじゃないか。」
B[そーだー。あっちいけー。」
ラフマン「それだけか?」
A「あ?」
ラフマン「言いたい事はそれだけか・・・?」
A「な、なんだこいつ・・・?」
ラフマンが剣を構えた。
あ、あの剣は・・・!!あの時の!!!
268 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:08:39.39 ID:uqgts2gC0
少し前、私がこっそり街の中を覗き見していた事があった。
ラフマンの言いつけ通りに外で待っているのも退屈だったからだ。
木の陰から街中を見ると・・・結構人がいる。
そうだよね。私が出ていったら騒ぎになってしまうかも。
仕方ない・・・待っていよう。
そう思った時、ラフマンの姿を見つけた。どうやら男の人と話をしているようだ。
いけない事だと思いつつも、私は聞き耳を立てていた。
「いや〜、あなたラッキーですよ!この剣は滅多に出回らないですからね!」
ラフマン「おお!そうか!?」
「この剣は伝説の剣でしてね。ものすごい力を秘めているのです。」
ラフマン「な、なんと!!!!!」
「本当ならば値など到底つけられない代物なんですが・・・。」
ラフマン「そ、そこをなんとか!!」
「仕方ない。あなた程の立派な戦士様なら使いこなせるでしょう。30000Gでどうです?」
ラフマン「た、高すぎだぞ!!」
「わかりました。じゃあ大サービスです。1000Gでいいですよ。」
ラフマン「買ったぁぁぁぁぁ!!!!!」
どうやらあの商人から武器を買ったようだ。
満足した様子のラフマンがその場を去ると、その男はうすら笑いを浮かべていた。
私は何も見なかった事にして、元の場所に戻った。
272 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:37:33.65 ID:uqgts2gC0
おおにわとりがラフマンに襲い掛かる。
しかし、その一瞬前。ラフマンの握りしめた剣の刃がおおにわとりを捕らえていた。
ザシュウウウウウウッッッ!!!
空気を裂く音。
肉を裂く音。
屁。
その階層の全ての音が凝縮されたような、そんな音だった。
B「お、おい!!!大丈夫か!!」
A「ぐあああああ!!!!・・・あれ?」
おおにわとりAはレベルが上がった。
276 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:40:58.28 ID:uqgts2gC0
ラフマン「あれ?おかしいぞ・・・?」
自分の握りしめた剣をまじまじと見つめるホフマン。
そりゃおかしいだろう。
どうして伝説の剣があんなところで、しかも格安で売られているのか。
少しも疑わなかったホフマンを誉めたい。
A「ふふ・・・よくもやってくれたな。お礼をしないとなw」
ラフマン「・・・・!!ぬおおお!!!」
一閃。
再びおおにわとりを刃が捕らえる。
おおにわとりAはレベルが5上がった。
278 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:44:29.10 ID:uqgts2gC0
あれは呪いの剣だ。
間違いない。斬った相手のレベルを上げてしまうのだ。
どうして気付かないんだ!!
『ホフマン様!!その剣は危険です!!早く捨ててください!!』
ホフマン「ぬ!だめだ!これは伝説の剣だ!!」
『違うってんでしょーがぁ!!!』
ホフマン「ぬ・・・かくなる上は!!!」
道具袋を漁る。
そして何かを取り出した。
A「あん?」
B「何する気だ・・・?」
ホフマン「フフ・・・。」
ニヤリと笑ったホフマンの手には、キメラの翼が握られていた。
280 :都会っ子(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:46:55.35 ID:U4lVgP4s0
名前また変わっとるwwwwwwwww
282 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:47:35.19 ID:uqgts2gC0
ホフマン「さらばだ。ホイミン。楽しかったぞ。」
『えっ・・・それはどういう・・・。』
ホフマン「では、失礼!!」
キメラの翼を放り投げるホフマン。
それと同時に球状の光に包まれる。
A「ち・・・!」
B「逃げるのか。貴様!!」
その直後。
大きな金属音がこだました。
ゴォォォォン!!!!!!
A&B「!?」
『あ・・・。』
ホフマンが天井に頭をぶつけた直後。
天井から棺桶が降ってきた。
284 :外資系会社勤務(茨城県):2007/04/02(月) 21:49:56.45 ID:a6eHtj7G0
酷すぎるw
286 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 21:58:20.15 ID:uqgts2gC0
時間が止まったように感じられた。
私は、どうしてこのオヤジと共に旅をしているのだろう。
多くの仲間(モンスター)を裏切ってまで・・・。
私には夢がある。
人間になりたい。
人間になって、自由をこの手に掴みたい。
モンスターの私には到底叶わないような夢だけど・・・。
でも信じていればいつか叶うって。
そう言ってくれたのは・・・ホフマン様。あなたでしょ?
・・・と次の瞬間。
また辺りは真っ暗になった。
光が降り注ぎ、目を開けるとそこにはにやっと笑ったホフマンが覗きこんでいた。
ホフマン「はっはっは。お前も懲りない奴だなwレベルが足りんぞ。レベルが。」
頭に大きなこぶを作ったホフマンが笑い飛ばした。
私は少し泣いてしまった。
バカらしくて・・・。
289 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:02:40.89 ID:uqgts2gC0
私はついに言う事にした。
『あの・・・少しいいですか?』
ホフマン「ぬ?どうした?」
『私、ここでお別れしようと思うんです。』
ホフマン「なんと・・・?」
『今までありがとうございました。楽しかったです。』
ホフマン「ホ、ホイm」
『では、失礼します。』
できるだけその場を離れるように、いつもより低空を飛んだ。
そして猛スピードで草原を進んだ。
涙が風にさらわれて落ちる。
いいんだ。夢なんて所詮そんなものなんだ。
短い間だったけど、夢を見れたんだもの。私は幸せ者だよ。私は・・・。
もう無理だった。
私はその場で泣く事しかできなかった。
290 :おたく(新潟県):2007/04/02(月) 22:03:03.89 ID:3CsGrw1K0
ライアン
↓
ラフマン
↓
ホフマン
↓
まさか・・・
291 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:06:51.04 ID:uqgts2gC0
どれだけの間泣いていただろう。
もう干からびてしまいそうだった。
遠くに見えるお城を見つめる。
あれが・・・ホイマンのいたお城か。
はっと我に返る。
今更あの人を思い出してどうするのよ!
もう・・・もう会うこともないのだから。
また草原を進もうとした時、背後で声が聞こえた。
ホイマン「はぁ・・・はぁ・・・。探したぞ。ホイミン。」
『あ・・・あ・・・・。』
肩で息をしながらにやっと笑う。
桃色の戦士ホイマンがそこに立っていた。
292 :シウマイ見習い(神奈川県):2007/04/02(月) 22:07:40.48 ID:I2VFKGO/0
ホイマンwwwwwwwwwwwwwwww
295 :中学生(群馬県):2007/04/02(月) 22:09:12.40 ID:avUnKScr0
もうこれはあれに変わるだろwwww
298 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:13:31.24 ID:uqgts2gC0
ホイマンは言った。
信じていればいつかきっと夢が叶うと。
それだけを信じて今まで頑張ってきた。
私の夢は人間になること。
あなたの夢は・・・なに?
ホイマン「私はな。お前に憧れていたんだよ。」
『えっ・・・。』
ホイマン「お前の、その純粋さに憧れていたんだ。私はもう・・・汚れてしまった。」
『そんな・・・こと・・・。』
ホイマンが寂しそうに笑う。
私は夢中でホイマンにしがみついた。
夢はきっと叶う。
きっと叶うよ!!
300 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:16:02.64 ID:uqgts2gC0
光が私達を包んだ気がした。
とても暖かくて優しい、そんな光。
私もホイミンもそれを全身で受け止めていた。
ただ、身をゆだねて・・・・。
え・・・?
ホイミン・・・・?
あなたは・・・?
ホイミン・・・・・・・・?
光がまぶしくなり、全てを包んだ。
304 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:23:52.32 ID:uqgts2gC0
ふと目が覚めた。
ここは・・・
そうだ。バトランドだ。いつの間にか眠ってしまったらしい。
しかし・・・なんだろうか。この違和感は・・・。
兵士が歩いてくる。
「ライアン様・・・?どうかなされましたか?」
ライアン。
そうだ、私はライアン。
王宮の戦士ライアンだ。
それから3日後。
私は洞窟に行った。
そこには・・・ホイミスライムがいた。
どうしてだろう。とても懐かしい。不思議な事だが、そう思った。
だからだろうか。
今もこうして共に旅をしているのは。
隣にいるホイミスライムはとても嬉しそうだった。
きっとお前にも願っている事があるのだろう。
それがどんな願いなのかはわからないが。
いつか叶うさ。願っていれば、いつかきっと。
私達は風を感じながら、懐かしさの残る草原へと踏み出した。
−END−
306 :週末都民(茨城県):2007/04/02(月) 22:26:25.27 ID:vMAeJsFQ0
( ;∀;)イイハナシダナー
305 :留学生(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:25:43.17 ID:PKIgwWeb0
結局どういうこと?
308 :塗装工(神奈川県):2007/04/02(月) 22:26:59.41 ID:35a14l0T0
人間にあこがれるホイミン
純粋さにあこがれるライアン
二人とも願いをかなえた形ってことだと思った
309 :ホテル勤務(アラバマ州):2007/04/02(月) 22:28:50.58 ID:uqgts2gC0
>>308
1人にでも伝わってよかった。
読み手全員に伝えるのはなかなか難しいよなw
長々と読んでくれてありがとうなんだぜ?
313 :ほうとう屋(東京都):2007/04/02(月) 22:36:10.11 ID:RD2fONd00
えーっと、入れ替わったってこと・・・?