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2007年02月02日

ドラえもん〜のび太の20世紀少年〜 その14

http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1170255139/

その1  その2  その3  その4  その5
その6  その7  その8  その9  その10
その11  その12  その13  その14←いまココ  その15
※続きは追って沙汰を待たれい(´・д・`)

「>>1以外のレスはいらねーよ」というかたはこちら蛇屋さん)

59 :1:2007/02/01(木) 18:58:01.61 ID:4U8CQx+50
第15話 小脱走

憂鬱な気分でドアを開けるとそこには・・・・
ドラ「あれっ?ギガゾンビ???」
そこにはぼくの見知った一人の男がいるだけだった。
脱獄仲間の時間犯罪者のギガゾンビだ。それにやけにニヤニヤしている。

ギガ「やっと来たか」
ゴン「ドウイウ事ダベ?オマエモ捕マッタダカ??」
二人で目を合わせて目を白黒させた。
ハード「プププ・・・・プッークスクス」
さっきまで恐ろしい顔でこちらを睨んでいた所長が急に元気に笑い出した。

ドラ「ど・どういうこと?話を聞くんじゃ??」
ハード「ごめんごめん、ここまでうまく騙せるとは思わなかったもんで」
そういうと所長は後頭部の辺りをゴソゴソとまさぐりジッパーみたいな物を
引っ張った。すると中からまた見知った顔が現れた。

ドラ&ゴン「ぼん!!!!」
ぼん「バア、TP隊員の並平凡と申します」
よっぽど嬉しかったのか顔をほころばせている、まるでいたずら小僧が
無事いたずらをやり通せたといったふうな表情だ。

60 :1:2007/02/01(木) 19:00:50.21 ID:4U8CQx+50
ゴン「ナ・ナンデぼんノ顔ガ出テクルンダ?所長ノ顔デモ剥イダダカ??」
ぼん「違う、違う、そんなことしないよ」
ドラ「着ぐるみ製造カメラだね?」
この不思議な着ぐるみには心当たりがあった。
かつて自分の四次元ポケットに持っていたから分かることなんだが

ぼん「よく分かったね、これはただの着ぐるみじゃない。
   秘密道具で作ったんだ」
ドラ「なりたい人物をカメラで写すとその場で着ぐるみが出てくる
   それを着ると体の大小に関係なくその人物になりきれるという道具」

ぼん「そうそう、着てないときはこんなふうにすぐ折りたためるという
   優れものなの。この道具手に入れるの大変だったんだから」
ぼんはそうすると着ぐるみを脱ぎ、それをクシャクシャにした
着ぐるみは鼻をかんだちり紙くらいの大きさになっている。

61 :1:2007/02/01(木) 19:03:59.19 ID:4U8CQx+50
ドラ「そうか、そうだったのかあ・・・良かった・・」
所長に何をされるかと内心震えていたが、結局はばれていなかったのか
という安心感でその場に座り込んでしまった。

だが横のゴンスケはワナワナと震えていた。
ゴン「ムキッー!!!トイウコトハ、オメエラオラ達ヲ騙シタダナ!
   オラ許セネエダ!!オラ本気デビビッてタダヨ!!」

ゴンスケはよほどそのいたずらに腹が立てたのかその場で手を
ブンブンと振り回し始めた。

ぼん&ドラ&ギガ「ちょっと、落ち着けゴンスケ!」
ぼくたちが総出でいさめると彼はオイルの気が下がったらしく
フン!!と手を組みながらそっぽを向きようやく落ち着いた

62 :1:2007/02/01(木) 19:07:46.74 ID:4U8CQx+50
ぼん「ごめんここまで脅すつもりはなかったんだけど
   あんまりうまく行ったもんだからさ、それにこの格好なら
   どこに連れて行っても怪しまれないだろ?」

ドラ「ということは?この着ぐるみで変装して逃亡が可能なんだね?」
ギガ「大当たり!!!もう所長の着ぐるみの他にも2人分作ってある」
ギガゾンビはそういうと横に置いてあった、着ぐるみを自慢げに見せた。

ゴン「オホッー!!ヨクヤッタダ!!タイシタモンダ!」
ぼん「これで一応逃げる準備は整ったよね?」
ドラ&ゴン「整った!」
やっとここから逃亡できる!という嬉しさで
二人でその場で抱き合ってピョンピョンと飛び跳ねた。
この刑務所に来て初めて希望が見えてきたのだ。

ぼん「あとは決行日を決めるだけだね、ぼくは3日後がいいと思う。
   その日にはこの看守たちが休暇になるから門から堂々と出やすい。」

ギガ「その中にこの制服を着て紛れ込むというわけだな?」
ぼん「ああ、そうだ。多分うまく行くと思う。
   いやきっとうまく行く。」

63 :1:2007/02/01(木) 19:15:30.41 ID:4U8CQx+50
ドラ「ありがとう。きっと成功させる!!ぼんは何でTPなのにぼくたち
   時間犯罪者の助けになってくれるんだい?」
前々から気になっていたことだが今日は思いきって聞いてみた。

ぼん「何故助けになるかって?それは、今のTPの組織がおかしくなって
   きてるからかな」
ドラ「どういうこと?」

ぼん「はっきりいって、最近のTPの歴史犯罪者の摘発率は異常なんだ。
   君達みたいな軽い刑程度の人間がこの刑務所に入れられてたり
   
   前にぼくがいた救助班の中でも歴史に影響を与えないものを
   助けるだけだったのに今じゃ上から命令された人間を誰でも
   助けるようになっちゃたり、TPの組織自体が腐敗しきってるんだ・・・。
   だからここから冤罪者を逃がすっていうささやかな抵抗をしてるってわけ。」

ギガ「我輩は本物の時間犯罪者だがな」
ぼん「君は娘さんに会わせたあと必ず捕まえる」
ドラ「TPがおかしくなってるなんて・・・・・」

今までタイムパトロールはぼくたちを助けてくれた正義の味方だった。
それが今じゃ信用もできないような正義の味方に成り下がってしまったのか???

64 :1:2007/02/01(木) 19:18:56.36 ID:4U8CQx+50
ぼん「これも今のどらえもんの独裁体制のせいかもね・・・
   彼もいつまでも英雄じゃないってことか・・・」
彼は悲しそうに呟いた。

ドラ「昨日も気になってたけど、そのどらえもんってのは僕なんですけど」
ぼん「だから君はどらえもんなんかじゃないって
   何ならその証拠を見せてあげようか?」
そう言うと彼はポケットをゴソゴソとまさぐり手帳のような物をだした。

ぼん「これ携帯版の宇宙完全大百科ね」
この大百科は宇宙中のことが何でも載っている辞典であまりに容量が
大きいことから星くらいの大きさになってしまい
今は空に衛星として浮かんでいるというものすごい代物だ。

ぼん「どらえもん・・・・っと、ほら見てみ??」
単語を打ち込むと画面一杯にどらえもんについての項目が出てきた。
やがて写真が写り、みんなの喝采を浴びて立っている人物の画像が映った。

ドラ「・・・・・・!!!」
目が飛び出そうなくらいに驚いた。確かにその写真の中央にはぼくがいる。

青の塗装に胴長短足、バケツでも食いそうなくらいの大きな口
どこからどう見てもぼくに違いない・・・
だが、ここにぼく本人がいるから、、少なくともこいつはぼくじゃないわけで
頭がこんがらがってきた・・・・

65 :1:2007/02/01(木) 19:21:53.68 ID:4U8CQx+50
ドラ「こいつ偽者だ!だってぼくがドラえもん本人だもの!!」
ゴン「何言ッテルダ?オメエどらえもんハ一人シカイネエヨ!!」
ぼん「そうだよwwだって君はどらえもんを
   元にして作られたロボットだろ?」
ドラ「・・・・・」
本当はネコ型ロボットなのだが今の状況ではとても
言い返す気分にはなれなかった。
どこかで歯車が狂って歴史が大幅に変わってしまったのだろうか??

ぼん「で、これがどらえもんの仲間たち・・・」
ドラ「・・・・・えっ?これ2022年だよね?」
ぼん「そうだよ?どうかしたの?」
ドラ「みんな子供の頃のままだ・・・」
写真に写っている2021年ののび太君たちは大人の姿などではなく
ぼくの記憶に残っている少年時代のままの姿だった。

のび太くん、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫君・・・
あれから何十年も経っているのにみんな一向に年を取っているようには
見えない・・・

66 :1:2007/02/01(木) 19:32:47.69 ID:4U8CQx+50
ギガ「どれどれ?我輩の見た時と一緒だな。」
ゴン「ドウ見テモ、鼻ッタレ小僧タチダベ?」
ドラ「あれから何十年も経ってるんだよ?
   大人になってないなんておかしい」

みんな不気味な怪物でも見た後かのように怖怖とした顔になり
黙り込んでしまった。

ドラ「これはみんなじゃない、偽者だ。」
ぼん「じゃあ、君の知ってる本物の友達たちはどこへ行ったんだ?」

ギガ「これが偽者だと過程するなら、本物は殺された・・・
   と考えるのが妥当だろうな・・・」
ギガゾンビの言ったことは考えたくなかったが今はそれしか思い浮かばない。

ぼん「ちょっと待って、野比のび太・・・検索してみるよ。
   ・・・・!!あれっ??野比のび太は二人いるの?」
ドラ「そんなことは・・・・!!!!」
確かに検索結果は二つ出ていた。
一つは子供の頃の姿のまま・・・もう一つのほうは大人の姿で写っている

ぼん「どういうことだ・・・大人のび太ってほうは2021年で死んだことになってる」
ドラ「なっ・なんだって!!!!!」
予想外の言葉にぼくは彼から押しのけんばかりの力で百科事典をもぎ取った。
ドラ「本当だ、本当ののび太くんは2021年に死んでる・・・・」
ショックで何も考えることができなかった。
どんな酷い拷問を受けるより酷い気分になった。
本物ののび太は死んで、偽者ののび太くんがその後の英雄という記述に
なっている。

67 :1:2007/02/01(木) 19:40:15.91 ID:4U8CQx+50
ぼん「じゃあ、英雄ののび太もどらえもんも本当に君の偽者なのか?」
ドラ「だからそうだって言ってるじゃない・・・
   本物はぼくなんだ・・・」
ショックで酷く気分が悪かったがどうにかして声を出すことが出来た。

ゴン「デモ、オメエドウ見テモコレハ、オメエダベヨ。」
ドラ「確かに・・・・これはぼくそのものなんだ・・・
   んっ!??ちょっと待って!!!」
疑問につぐ疑問に口をへの字に曲げていたがすぐ横を向いてハタッ!と気付いた
その疑問の答えはすぐそばにあった。

ドラ「これだよ、これ!!この中に誰か入ってるんだよ!!
   このカメラで作った着ぐるみの中に!
   のび太くんたちの中にも誰かが入ってたんだ!!」

ギガ「そうか、それであの子供たちも子供の頃のままだったのか」
ぼん「でも何でそこまでしてどらえもんは君になりたがってるんだ?」

ドラ「それは分からない、だけどやっぱり大人になったのび太くんたちに
   生死に関わるくらいの危険が迫ってるんだ。
   ぼくがあの日感じた何かはやっぱり偶然なんかじゃなかった!」

あの時感じた言い様もない不安はやっぱりのび太くんたちからの
虫の知らせだった・・・そう思うとぼくは丸い手に力が入った。

68 :1:2007/02/01(木) 19:46:27.44 ID:4U8CQx+50
ぼん「ああ、とにかくこの一件は何かあるね。たぶんTPも関与してる」
ギガ「我輩も興味が湧いてきたぞ」
ゴン「オラも、オラも!!」
ドラ「絶対にここから逃げ出す!!三人一緒に!」
ゴン「ココカラ出タラ、たんまり芋食ウベ!!」
こんな状況でも芋のことしか頭にないゴンスケに呆れたのか癒されたのか
その場にいた全員がプッと噴出しやがてみんな声を出して笑った。
ドラ「ああ、その時はドラ焼きも一緒に食べよう」
ゴン「アッタリ前ダヨ!!!」

そう言ってみんなはより決意を固めた。絶対にここから逃げ出す!!!
もう一度のび太くんに会うために!!

それから毎日ぼくとゴンスケは極秘裏に穴を掘り進めついには穴を開けきった
ギガゾンビは看守たちの巡回路を調べた。
一つの目的のために各々ができることを行った。
そしてついに脱獄決行の夜がきた。

70 :1:2007/02/01(木) 20:02:40.78 ID:4U8CQx+50
―アバズレ刑務所 深夜1時―

ドラ「ついにこの夜が来たなゴンスケ!!」
ゴン「オウ!!待ッテタダヨ!!」

互いにぼくたちは見つめあうと結束の握手を交わした。
この日のためにぼくたちは苦労してきたんだ、気分は刑務所にいるとは
思えないほど高揚している。

素早くぼくたちは着ぐるみに着替えた。
どちらも刑務所内の看守そっくりそのものだ。
ゴン「オメエ、ホントにソックリダナヤ。デブナノニ、良クハイッタダナ」
ドラ「ぼくはデブじゃないっ!どんな体型でも着れるの!!!」
思わず大きな声を出してしまった。ゴンスケが声出すな!とジェスチャーで
して見せた。ゴンスケが怒らせたんだろ?

ドラ「まあいい穴に入るぞ!!」ゴン「アイアイサー!!」
そう言ってぼくは開けた穴に被せてある壁そっくりのシートを取った。
これのおかげで今まで看守にばれなくて済んでいたのだ。

ゴン「ウッワッー!!!狭イダ・・・」
穴の中に入るとやけに中は湿っぽくてそして狭かった・・・・
下水道管なのだからあたり前なのだが
ドラ「まずギガゾンビの奴と合流するぞ!!!」

74 :1:2007/02/01(木) 20:23:24.15 ID:4U8CQx+50
ぼくたちは狭い通路内をゴソゴソと進んだ。
ギガゾンビのいる牢屋の位置は知っていた。
彼の牢屋も穴を開けるためにぼくは何度もこの穴を往復していた

ドラ「着いた、お〜いギガゾンビ来たぞ!」
小声で彼を呼んだ、開けた穴から覗き込むと牢屋のベットにハードマン所長が
来たか!といった顔でドッシリと座っていた。
見た目は恐ろしい所長だが中身はギガゾンビだ・・・

ギガ「じゃあ、少しばかりのお別れだな、ツチダマ・・・」
彼は彼の頭の周りを飛んでいる土偶に向かって言った。
その土偶が彼の相部屋仲間であり、元手下だ。

ツチ「ギガゾンビサマ、オ元気デ・・・・」
表情のない土偶のロボットだがその顔は主人のことを心配している
ように見えた。

ギガ「ああ行ってくる・・・」
そう言うと彼はこちら側の穴にモゾモゾと入り込んできて先頭についた。
彼が下水道の道案内役をしてくれるらしい

77 :1:2007/02/01(木) 20:40:11.06 ID:4U8CQx+50
ギガ「まず・・我輩たちはこのままぼんの待つ
   TP看守休憩室を目指す、いいな?」
もう大きな声は出せないので二人でコックリと頷いた。

ぼく達はもぞもぞと汚らしい、下水道の管の中を進んでいった。
特有の匂いもかなり鼻についたが、ここから出られるくらいなら
このくらいのことなど屁でもなかった。

ギガゾンビ「着いたぞ・・・・休憩室だ・・・」
彼はこちらに聞こえるギリギリくらいの声を出して到着を教えた。

・・・・・・穴から目をこらして休憩室を見ると
TP看守でありぼくらの協力者であるぼんがいた。彼はこちらに気付くと
ちょっと今はやばいぞ・・・といった表情をしていた。

ドラ「一体どうしたんだ?」
ぼんの警戒を知らせている表情を見て、ぼくは周りを見回した・・・
!!!??誰もいないと思った休憩室には予想外の人物がいたのだ!!
いや最悪の人物というべきか。ハードマン所長だ・・・

78 :1:2007/02/01(木) 20:50:28.16 ID:4U8CQx+50
どうやら彼は休憩室に飲み物を買いにきたらしく自販機の前で
コーヒーが紙コップに入るのをイライラと待っていた。
これじゃ降りられない、見つかったらまた監獄にふりだしになっちゃう。

ゴン「ドウスルべヨ?出ラレナイダヨ・・・」
ギガ「奴がここから去るのをずっと待つしかない・・・」
ギガゾンビがそう指図するとぼくたちはここはしょうがないと思い
また了解の頷きを見せた。

そうしてすぐにぼんがいることに気付いたのか彼はぼんににじり寄ってきた。
ハード「ゴラア!並平〜!!な〜にここでチンタラ休んどるんだ!!」
また彼のいびりが始まった、また長ったらしい嫌味ばっかりだ。

ぼんは彼のいびりに切々と耐えていたが、
ぼくたちは早く出たくてイライラしていた。

80 :1:2007/02/01(木) 21:05:18.08 ID:4U8CQx+50
ゴン「アノオッサン話長イダナア、モウ、オラ待ッテラレナイダヨ!!」
いつまでも終わらない所長の話にゴンスケは業を煮やしたのか
ここから出るぞといった体制になりゴソゴソと動きだした。

ドラ&ギガ「おいっ!辞めろっ!そんなことしたら計画が!」
二人して小声で彼を勇めたがゴンスケはそんなこと知るかといった
様子でバタバタと暴れだした。

とそんなぼくの横へチョロチョロと動く何かが来た。
その何かが横に来たというだけで何かとてつもなく鳥肌がロボ肌が立った。
チュー・・・・・その何かはかわいらしい声を発した。
だがぼくにはその声が恐ろしい悪魔の声に聞こえた。
横を向くとそこにはこの世でぼくが一番恐ろしいやつがいた。

ドラ「ギャーーーー!!!!ネーズーミー!!!!!!」
思わず手足がじたばたと暴れだし、
ここから逃げなくてはと気が動転してしまった。
今度はゴンスケでなくぼくを二人は止めた。その手を振り払い
ここから逃げたい一心でもがいた。
ドラ「はっ!!!」
気付くとぼくはぼんと所長のいる休憩室に出てしまっていた。

ゴン「大馬鹿野郎!!!」ゴンスケの罵倒が空しくコダマした。

81 :1:2007/02/01(木) 21:29:24.24 ID:4U8CQx+50
ハード「どうした?何でそんなところから出てきたんだ?
    カトウ副所長???」
ぼくの着ている着ぐるみはカトウというこの刑務所のno,2の男に似せた
着ぐるみだ。突然の奇声とともに現れたカトウ兼ぼくに所長は
何故?不可思議?といった様子で近づいてきた。

ドラ「こ・これは。囚人たちから下水道からの匂いが酷いと
   苦情がありましたので自ら下水道に入り調査していた次第でございます!」
ハード「そうか。それは見上げた刑務所根性だ。」
いかにも言い訳がましい理由だったが根が単純なのか所長は
そうか、そうかと珍しく嬉しそうな顔をして、ぽんぽんと肩を叩いた。
助かった・・・・内心冷や汗ものだったが
どうにかうまくごまかせたらしい・・・そう中で脂汗を垂らしていると
さっき飛び出してきた穴の方向から声からなにやらいざこざする声が
聞こえてきた。

ゴン「ダカラ、コレ以上待ッテルノハ嫌ダッツウノ。オラハモウ出ル」
ギガ「もうちょっと待てって・・・」
やばい・・・ゴンスケの奴耐えられなくなったのか・・・
出てくるな・・・・もうちょっと待て・・・
とぼくは心の中で何度も繰り返した。

82 :1:2007/02/01(木) 21:29:53.92 ID:4U8CQx+50
ゴン「ダッー!!!モウ出ル!!!」
ゴンスケは下水道の穴から堂々と出てきた。
ハード「ヤマモト何故お前まで・・・」
ギガ「しょうがないか・・・俺ももう出るぞ」
そう言うと所長の着ぐるみを着たギガゾンビも穴からのっそりとした動作で
飛び出してきた。

ハード「お、おれがもう一人・・・・・どういうことだ??」
所長はうまく事態が飲み込めていないらしい
そりゃそうだ・・自分と全く同じ顔の男が穴から出てきたのだから・・・

84 :1:2007/02/01(木) 21:45:54.69 ID:4U8CQx+50
ハード「!!!そうか・・・分かったぞ?
    貴様ら!脱獄犯だな!見上げた根性だ看守の格好を
    して脱獄するとはな!だが俺がここから絶対に逃がさっ!!!!」

ようやく事態が飲み込めたらしい所長がそういい終える前にぼくは思わず
彼目掛けて突進していた。
ちょうどミゾオチの辺りにクリーンヒットをくらった所長は
その場に崩れ落ちて気絶してしまった。

すげえ・・・・三人が目を丸くして羨望のまなざしでぼくを見つめている

ドラ「石頭はぼくの最終兵器なんだ、分かった?
   さあグズグズしてなんかいられないぞ!
   ぼくらの目的はここから出ることなんだから!!」

93 :1:2007/02/01(木) 23:30:26.85 ID:6N/dQ/eF0
失神している所長を起きるなよと思いつつ
休憩室から飛び出した。
と言っても本当に飛び出すように
走ったら、他の看守たちに怪しまれてしまうだろうから
あくまで普通の怪しまれないくらいの速歩で歩いた。

途中何人かの看守の横を歩いたが
所長の独裁体制の賜物なのか所長が通ると皆一様に
礼をして直立不動の状態だった。
ゴンスケも調子に乗って礼のポーズをしてみたが
所長しか意味はなかったらしくみんなシレッーとしていた。

そんなことをしているうちに看守たちが集まっている所
についた。ここで休暇の許可証を提出してその後に門から
晴れて出られるというわけだ。

ギガ「えらく簡単に来れたな・・・」
ゴン「ダナ、ツイニココカラ出ラレルダ」
確かにここまでは所長に気付かれた以外は計画通りだ。
うまく行き過ぎて怖いくらいの・・・

95 :1:2007/02/01(木) 23:48:07.05 ID:6N/dQ/eF0
窓口の職員らしき男に所長もといギガゾンビがいかにもといった
ピリピリとした態度で用件を命令した。

ギガ「ハードマン刑務所所長、カトウ副所長、ヤマモト、波平刑務官
   計4名!!本日より数日間の休暇を許可してもらおうか!!」
窓口「はっ!はひっ!!少々お待ち下さい!!」
よっぽどこの所長が怖いのだろう、窓口の男は慌てた様子で書類に目を通した

これでうまく行けばここから逃亡完了か?
と思われたがそううまくは行かなかったらしい
窓口の男はメガネをはずし、何かおかしいぞっといった様子で書類を
眺めている。

窓口「あの・・・・ヤマモトさんとカトウ副所長は休暇届け
   受理できないんですが・・・」
ギガ「どうしてだっ!?」
窓口「あひっ!・・・だって今日お二人は急遽当直の当番になったから
   許可は受け付けられないって出てるんですけど・・・
   お二人にもお知らせしましたよね??」
そんなこと全く聞いてなかったぞという顔でぼく達はぼんを睨むと
彼はいかにも俺も知らなかったといった様子で視線を上に向けた。

96 :1:2007/02/01(木) 23:59:23.66 ID:6N/dQ/eF0
どうする?ヤマモトとカトウの中身のぼくとゴンスケは今日出られないこと
になっている。ここで無理を通したら余計怪しまれるだろうか??

ドラ「どうしても今日は出られないのかい?」
窓口「いやあ、これは規則ですからね。規則破るとあとから
   所長にこってりしぼられますし・・・ここにいますけど」
ギガ「じゃあ、俺の許可があれば休暇を取ってもいいということだな?」

窓口「まあそれもありますけど、規則が・・・」
ギガ「ここでは俺が規則だっ!!さっさと許可しろっ!!
   さいはて刑務所に飛ばされたいかっ!!」
いつまでも煮え切らない窓口の男にギガゾンビが檄を飛ばした
さすがは古代の日本を支配しようとしただけの奴だ。怖さだったら所長にも
負けてはいないだろう。

窓口「わっ!分かりました。すぐ迅速に許可いたします!」

97 :1:2007/02/02(金) 00:15:38.38 ID:hz8yngrh0
そう言うと彼は手元のボタンを押し、許可の合図を出すと
目の前のドアが開いた、その向こうにはぼくたちが目指していたものがあった
この刑務所逃げるための唯一の所、巨大な門だ。

全員「やった・・・・」みんな心の中でそう呟いた
ここに来てからのつらい日々はこの時のためにあったのだ・・・
着ぐるみの中の人であるぼくたちは思わず涙が出るくらい嬉しいに違いない

ゴン「サア、堂々トココカラ出ラレルべナ」
ギガ「ついにこの時が来たか・・・」ドラ「うん・・・うん・・」
ぼん「良かった、これでぼくの助けもいらないね」
みんな各々思うことはあるが着実に門に近づいて行った。

その時横にあるスピーカーからけたたましいくらいの警報が聞こえてきた
「ブ〜ブ〜!!!緊急事態!!緊急事態!!!
 東101号棟から三名の逃亡者が出たもよう
 繰り返す、東101号棟から三名の逃亡者が出たもよう
 至急厳戒態勢に入れ」
ッ!!!!!やばいばれた!!!!

98 :1:2007/02/02(金) 00:25:40.16 ID:hz8yngrh0
その緊急警報とともに逃亡者を逃さないためなのか
さっきまで開きかけていた門がまた閉まってしまった。

ドラ「ど・どういうことだ!?ハードマンが目覚めたのか?」
ゴン「知ランガナ!!トニカクドウスル?ドウスル??」
ギガ「とにかくここは隠れたほうがいい」
ぼん「あっちの奥の方に小屋がある、一旦あそこで様子を見よう」

ぼんが指差した掘っ立て小屋に向かってみんな一目散に走った
その間にもけたたましいほどの音で警報スピーカーが鳴っていた。
小屋は電気もなく薄暗い所だった。何本か箒が投げてあるからどうやら
物置らしい。

99 :1:2007/02/02(金) 00:42:58.31 ID:hz8yngrh0
ドラ「ついにばれちゃったか・・・所長が起きたのかな」
ギガ「いや、奴は我輩たちの変装を知っているのだから
   すぐにオレ達の格好も警報時に注意しておくだろう。
   たぶん、牢屋を見回っていた看守にでも気付かれたんだ」
ギガ「ドウスルべ??ドウスルべ???」
もろくも計画が崩れ去った今気が動転してここから出る方法は
思い浮かばなかった・・・

ギガ「望み潰えたか・・・これをお前に渡す」
ギガゾンビはぼくのほうを向いてある物を渡した。
小型の電話機らしいものだった。

ドラ「どうしたんだ?いきなりこんなもの渡してきて」
ギガ「分かるだろ?俺たちの計画は潰えたんだ・・・
   ここは誰かが犠牲になるしかない・・・」
ドラ「ま・まさか・・・・」
ギガ「ああ、我輩がオトリになる。
   奴らの注意を出来るだけ引いておいてやる。
   その間に門の守衛でも脅してここから逃げろ・・・・」

101 :1:2007/02/02(金) 01:05:20.07 ID:hz8yngrh0
ドラ「ギガゾンビ・・・君諦めるのか?
   言ったじゃないか一緒に逃げるって。」
ギガ「・・・・・我輩は諦めるのではない。お前らに希望を託すのだ。
   こんな時代になった根源が過去にあるんだろ?
   ではお前たちが変えろ、大丈夫きっとうまく行くさ
   お前は我輩の計画を打ち砕いた唯一のロボットだからな・・・・
   それに会いたいんだろ?あの小僧に・・・」
ドラ「うん会いたい、のび太くんにみんなに・・・
   でもお前だってテラっていう娘に」

ギガ「・・・我輩は嘘をついていた。前に言ったかな?
   娘は毎月手紙をくれるってそれは嘘だ。それどころか
   娘は我輩のことも覚えていないかもしれない・・・」
ドラ&ゴン&ぼん「・・・・・」

ギガ「たぶん娘も父親がいるということさえも知らんかもしれん
   こんなろくでもない父親だがそれでも娘に一言言ってやりたい
   「お前のことを今でも愛している」って、身勝手な奴だと
   思われるかもしれんが・・・それでも娘に伝えてやりたい・・」
ギガゾンビは初めて自分の気持ちを語ったような気がした。

ゴン「ウワーン、イイ話ダナー!!」
ゴンスケは目から涙を噴水のように出した。

102 :1:2007/02/02(金) 01:16:59.95 ID:hz8yngrh0
ドラ「分かった。君がそこまでの覚悟なら
   ぼくはもう君を止めるつもりはない、頼むよ。」
ギガ「精一杯やってみるよ。その代わり娘にそれを渡してやってくれ・・・」
ぼくは激しくうなずいた。

ぼん「分かった、出来るだけ僕も騒いでみる。
   二人で騒げばもっと注目されるだろ?」
ドラ「ぼんも今までいろいろありがとう」
ぼん「いや、ぼくも目覚めたよ。TPとどらえもんの間には何かある。
   それが分かったんだ、ぼくはTPを内部から変えていく。」
彼も決意を固めているようだ。

ドラ「じゃあ、ここで。」ゴン「オメエラノコトハ一生忘レナイダヨ!!」
ギガ「ああ、少しばかりの間だったが楽しかったよ」ぼん「また会おう!」
そう言うとぼくたちは自分たちのやるべき行動を起こした。

107 :1:2007/02/02(金) 01:37:38.71 ID:hz8yngrh0
ぼん「ここに逃亡者がいたぞーーー!!!みんな集まれーーーー!!!」
ぼんが精一杯の声でみんなの注意を引いた。
その横を所長の着ぐるみを脱いだギガゾンビが全速力で走っていく
「あそこにいるぞ!!!」「追え!!!」「ショックガン用意しろ!」
ずっと鳴り響いている警報に紛れてそんな声が聞こえてくる

ぼくたちはその声を尻目に門のところまで走った。
ドラ「早くここを開けろ!逃亡者が逃げた可能性があるとの連絡だ」
守衛「駄目だ、この門は許可された時にしか開けないことになっている」
何度言っても守衛は門を開ける素振りも見せない。

ゴン「ダカラオラ達ガ許可シテルダロ!!」
守衛「んっ??お前なんか喋り方おかしくないか?」
そう言うと守衛はゴンスケの体を触り始めた。

ゴン「アヒャヒャヒャヒャ!!!何スルダ、ゴンスケ様に!!!」
守衛「お前!!!逃亡犯か!!!」
やばいっ!!もう駄目だ!!!
目の前の男をゴンスケだと見破ってしまった。
守衛は間髪入れずに手に持っていたショックガンでゴンスケを打った

守衛「お前も怪しいぞ、そこに止まれ!!!」

109 :1:2007/02/02(金) 02:01:23.13 ID:hz8yngrh0
くそっ・・・・もう駄目なのか・・・・
ギガゾンビやぼんの決死のオトリも・・・着ぐるみも・・・この穴も
みんなこの時のためだったのに・・・
ごめん・・・のび太くん・・・君には会えないみたいだ
四次元ポケットがなきゃ、駄目なままのネコ型ロボットだ・・・
あきらめよう・・・・今投降すればまだ罪が軽くて済むかも

その時、どこからの映像なのか分からないがぼくのコンピューターが
何かを受信した。こんなことがありえるのか分からないけど
ありありと映像が見えてきた。
どこかの道路で・・・犬に追いかけられている数人の男たち
そしてその真ん中には一人の男が立っている。ブチブチと音声が聞こえてくる
「・・・ウソ800だ・・・おい・・・伝えろ!!
 ああそうだな・・・ドラえもんはぼく達の所に絶対に
 帰って来てくれない、絶対に僕は信じてない!!」

その男の顔が頭の中に入りこんできた。のび太くんだ。
大分老けて見えるが確かに彼に間違いないのだ。
確かに聞こえた・・必ず帰ってくるとぼくがのび太くんの元へ帰ってくると

110 :1:2007/02/02(金) 02:13:32.72 ID:hz8yngrh0
ドラ「まだあきらめちゃ駄目だ・・・のび太くんが待ってる・・・
   のび太くんの願い叶えなくちゃ・・・」
守衛「はあ?何訳の分からんことを言ってるんだ!?
   早くそこにひざまずけ!!」
ドラ「ぼくには四次元ポケットが無くても最終兵器のこれがある!!」

ぼくはその場に倒れこんでいるゴンスケを抱えあげると
巨大な門を目掛けて突っ込んだ

ジーーーーーーン頭が割れそうなくらいの衝撃だった。
門はビクともしていないみたいだ・・・
ああ・・・やっぱりぼくの頭突きでも無理だったか・・・
そう思った・・・・その時頭の周辺あたりから徐々に亀裂が入りだした
やがて、ありえないことなのか奇跡なのか門を形作っている
固い大理石が粉々に砕け散ったのだ

ドラ「うおおおおお!!!!やったーーー!!!!」
このありえない奇跡に浸っている暇もなくぼくはゴンスケを抱えたまま
全速力で門をくぐり抜け、走りに走った。
で、気付くと断崖絶壁に辿りついていた・・・だがそれにも気付かず
ただひたすらに走り、ぼくら二人は海に落ちた・・・・

ぼんの奴、途中までの計画は完璧だったのに刑務所から逃げたあとのこと
何も言ってないじゃん・・・・せっかくここまで来れたのに・・・・
ぼくはそう思いながらヘトヘトになって泳ぐ気力も湧かず
ただただ沈んで行った・・・・

111 :1:2007/02/02(金) 02:41:31.26 ID:hz8yngrh0
「起きて!あなたロボットでしょ?これくらいじゃ死なないわ」
・・・・・・ッ!!!!ハッと目が覚めるとぼくはやたら暗い所にいた。
どうやらここは海の底の底の方らしい。
目の前にはどうやらTPらしく白い制服を着た女性がいた。
金髪のロングヘアーで青い目をしたかなりの美人女性だ。

「あなたよくあの刑務所から逃げられたわね?すごいわ」
彼女はぼく達のことを賞賛するかのように拍手した。
ドラ「ゴンスケはどこへ行った?」
「あそこよ」
彼女が指差すとゴンスケは気持ちよさそうに魚と泳いでいた。
こっちの苦労も知らないでと思ったがまあ無事そうでよかった

「どうやらぼんは来れなかったみたいね・・・」
ドラ「あの助けていただいたのに失礼なんですがあなたは誰?」
「ああ、言い忘れてたわね。私は昔ぼんとチームを組んでたTP隊員です。
 名前はリーム・ストリーム。よろしくね」
ドラ「ああ・・・よろしく」

112 :1:2007/02/02(金) 02:41:52.31 ID:hz8yngrh0
リーム「じゃあ、紹介も済んだ所でここから逃げましょうか」
ドラ「えっ?」
リーム「早く逃げなきゃ刑務所の連中がやって来るわよ。」
と彼女は言うや否やぼくとゴンスケを抱えて超空間に入った。
あまりの素早い行動に少しばかり驚いたが内心は嬉しくてたまらなかった。
やっとあの恐ろしい刑務所から出られた
これでのび太くんたちにもまた会える・・・・

だけど過去世界でぼくが経験する恐怖の数々はまだ刑務所の中の体験が
マシだったと思えるほどだったとはこの時のぼくはまだ思いつきもしなかった

第15話END





114 :1:2007/02/02(金) 02:44:35.61 ID:hz8yngrh0
今日はここまで、今日は結構文章書いたから
手が痛いっす、腱鞘炎になりかけです・・・orz
明日の投下はたぶん夕方くらいになると思います。
保守お願いしまっす!!!


115 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 02:52:22.62 ID:ynjk9+Rm0
おつかれー
無理はするなw

116 :1:2007/02/02(金) 02:59:22.91 ID:hz8yngrh0
>>115
労わりの言葉あざーっす
これからはあんまり体を酷使するのは止めときます
あと書き溜めって必要ですね、投下時間が空くわ空くわ


117 :愛のVIP戦士:2007/02/02(金) 03:19:36.18 ID:2YO5xw7F0
>>116
おつかれさん
体を大事にしないかんよって



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posted by キティ at 23:48 | このエントリーを含むはてなブックマーク | Comment(3) | TrackBack(0) | 〆(・ω・ ) ヨミモノ
(「・ω・)「 お世話になってるヨソ様ー
海の幸 (VIP)
山の幸 (etc)


この記事へのコメント
  1. wktkが止まらないっ!
    Posted by lm at 2007年02月03日 00:49
  2. しかし1の性格をなかなか受け付られない
    Posted by at 2007年02月03日 01:26
  3. 頭突き便利だよなぁ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2007年02月03日 13:26
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