その1 その2 その3 その4
その5 その6 ←いまココ その7 その8
※ちょいグロがあるからそれ系が嫌いな人は読まん方がいいかと。
※この物語はフィクションです。実際の人物や団体には一切関係ありませんよ。
295 :1:2007/01/07(日) 21:33:23.26 ID:s936oG6t0
<過去>
足の力が抜けて、その場にへたり込んだ。
前田。お前……本当かよ?
前田と俺は幼いころからの親友だった。
マミとマタマ、小原と遠藤、そして前田と小松。
3−2同性愛コンビとも言われたもんだ。
正直、少し前田のことが好きだったかもしれない。
あいつはいつも素直で、でもなんか意地っ張りで。
馬鹿正直に物事を信じ込む。
バレンタインに一度冷やかしでチョコを入れたときも、笑顔でこういった。
「友也、ありがとな! 俺チョコなんて貰ったことねーよ!!」
そして、また人影。
297 :1:2007/01/07(日) 21:36:39.10 ID:s936oG6t0
「使えない駒ってのは、要らないんだよね」
聞いたことないような声。
俺は顔をあげる。
トロフィーを構えた、館入がそこに居た。
無表情。トロフィーに光が反射して色白の顔が浮かび上がっている。
「ま、あいつの価値ってのはPSP持ってた。そんだけだね」
「……あいつって…誰だよ」
高橋が怯えて後ずさりしているのがわかる。
「あいつ? そこに倒れてる馬鹿のことだが?」
前田の体を無造作に蹴る館入。
「小松……ここは逃げたほうが良いと思うぞ」
「お前ちょっと引っ込んでろ」
決めた。決めたぞ前田。
俺はここで館入を殺す必要があるみたいだ。
298 :1:2007/01/07(日) 21:39:15.10 ID:s936oG6t0
「へぇ」
館入は無表情のまま、話している。
「お前、人殺せたのか?」
「ま、そこそこには」
何も考えるな。何も考えるな。
全神経を館入を殺す為だけに集中させろ。
トロフィーの矛先を館入に向ける。
早く、殺さなきゃ。早く、殺さなきゃ。
だが無意識にこんな言葉が口をついた。
「謝れよ」
「は?」
「前田に、謝れよ!!」
館入は一瞬表情を崩したがすぐに元通りの顔に戻った。
299 :1:2007/01/07(日) 21:42:14.67 ID:s936oG6t0
「気が触れたか」
「謝れっつってんだろ!!」
あー俺かっこ悪ぃ。なにやってるんだ。
ただ向かい側の館入を殺せばいいだけなのに。殺せない。
「話すと時間と体力の無駄だということが今判明した」
館入は一歩だけ後ずさりする。
「盗聴と普段の生活の様子から、お前は人を直接的に殺すことは不可能だ」
そしてゆっくりと俺のほうへと近づいてくる。
「ほら、殺してみろ?」
そうだ俺。あいつを殺せ。
それだけで前田の償いになるんだ。さっさと殺せよ。
殺せ。殺せ。
体が硬直して動かない。
300 :1:2007/01/07(日) 21:46:41.37 ID:s936oG6t0
「お前に殺しなんて無理だ、小松」
瞬間、激痛が走る。
体にトロフィーを投げつれられた。
そう気付いたか気付かないかの間に、館入が俺の目の前に立っていた。
そして、すばやく俺の、首を、絞める。
「前田の野郎、友也は大丈夫か友也は大丈夫かってうるさかったぞ。
さっさとあの世行って報告してやってくれ」
苦しい。
前田に、俺が、できる事。それは何だ?
さっさと死んで、前田と合流することか?
うっすらと目を開けると、館入が少しだけ虚しそうな顔をしているのに気がついた。
「……し…ね」
精一杯の声を絞り出したつもりだ。
館入の締め付けが弱くなった気がする。
301 :1:2007/01/07(日) 21:49:58.84 ID:s936oG6t0
「なぁお兄ちゃん。俺の存在忘れてただろ?」
気がつくと、館入が入り口の方向へ吹っ飛んでいた。
「……小松。なんか知らないけど、俺あいつが憎たらしくなってきたよ」
高橋が不適に微笑む。
前田には、似ても似つかない。
クラスの地味な奴ランキング1位を独走中。
そんな奴だ。高橋は。
なのに、一瞬だけかっこよく見えた。気のせいか?
「……計算通り。ここでお前が俺に抵抗するのも全て計算通りだよ高橋」
館入は、笑った。
もう教室の中は真っ暗に近かった。
304 :1:2007/01/07(日) 21:54:19.49 ID:s936oG6t0
「高橋。お前は人が殺せるか?」
「………あれ、お前人だったっけ?」
高橋はわざとらしく大笑いした。
「お前さ、人間コンピュータだろ? 俺自作コンピュータ作るのが好きでさ。
んで、出来損ないのパソコン分解するのは慣れてるんだ。一丁、お前を分解してみるかな」
「かっこつけたセリフを長々と」
館入は入り口に手をかけた。
「じゃぁな。お前らがいつまで生きてられるか楽しみだぜ」
そして慌しく廊下に出る。
10秒ほどの間。
「……逃げたのか」
高橋が呟いた。
後に残されたのは、前田の死体。
アイスピックが突き刺さっている。
「前田……」
涙は、出なかった。
前田が死んでいるという実感がわかない。
修学旅行を思い出す。寝ている前田の顔に落書きをした。
寝顔を写真にとった。その写真は今でも俺のデスクマットの中にある。
308 :1:2007/01/07(日) 21:57:55.03 ID:s936oG6t0
前田を抱きかかえてみる。
まだ暖かい。
前田の顔を少しだけ触ってみる。
まだ柔らかい。
前田の心臓に耳を当ててみる。
音は、していない。
「……前田」
返事は、しない。
「前田」
返事は、しない。
「恭兵」
返事は、しない。
「おい前田! 起きろ! 前田!! 頼む! 起きろ!!」
返事は、ない。
「………前田。頼む」
返事は、ない。
その時、目から液体がこぼれた。
泣いた。目から涙がとどめなく、零れ落ちる。
310 :1:2007/01/07(日) 22:00:48.88 ID:s936oG6t0
数秒後。
俺は前田の隣で、死に絶えようとしていた。
ありがたいのか、悲しいのか。
何が起こったのか。わからない。
でもこれで、きっと、前田に、会えるはずだ。
俺はもうすでに吹っ飛んでしまった手で前田の体に触れようとした。
前田の体は、そこにはなかった。
あるのは、生々しい内臓だった。
良い。それが前田の一部なら。
【13人】
314 :1:2007/01/07(日) 22:05:18.45 ID:s936oG6t0
<緻密>
爆弾を栄光の間に投げ込んだ後、一息つく。
全て、計算通り。
飛んできたガラスの破片が俺の頬を少しだけ切った。
後で消毒でもしておこう。
それにしてもバッテリーを爆弾に改造してしまった以上、PSPの電源が持たないかもしれないな。
電源を切っておかなければいけない。
おっと、その前に渡部のところへライターを強奪しに行くんだったな。
教官室へ向かうか。
ふと視線を下に落とすと、前田の首があった。
あの爆弾、相当な威力だ。死体の首を廊下まで飛ばすとはな。
……それにしても。
一息ついて、俺は立ち上がる。
前田、幸せそうなツラしてるな。
305 :1:2007/01/07(日) 21:54:58.82 ID:s936oG6t0
いや、なんか痛い文書いてると感覚麻痺してくる。
痛かったら容赦なく言って下さい。
307 :しゅんぎく:2007/01/07(日) 21:57:34.40 ID:snW3ro19O
ハマって読んでしまう。
才能あるんじゃね?
311 :1:2007/01/07(日) 22:01:39.02 ID:s936oG6t0
>>307
俺が数学の時間考えた妄想を文章化したものなんだぜ?
316 :1:2007/01/07(日) 22:06:49.98 ID:s936oG6t0
次誰のエピソード書こうか?
>>320
拓朗・マミ
コウタ・遠藤・千明
益田・渡部
館入
奈々子ちゃん
チホ
その他
318 :鰌:2007/01/07(日) 22:08:38.35 ID:R6cEdjsQO
コウタ
俺の中で千明はめちゃ可愛い
319 :平核無:2007/01/07(日) 22:09:37.75 ID:OREBbwCT0
コウタ・遠藤・千明で
あのあと、どうなったか気になる
320 :しゅんぎく:2007/01/07(日) 22:11:57.67 ID:cSfS5FMXO
俺の中で千明はサエコ似
321 :びわ:2007/01/07(日) 22:12:36.87 ID:s936oG6t0
じゃ千明・遠藤・コウタ行きますね。
323 :びわ:2007/01/07(日) 22:18:21.40 ID:s936oG6t0
<休息>
遠藤は人が変わったように千明を看病している。
ま、敵が居ないのだから良いのだが少しは気をつけた方がいいだろうが。
俺はもう一度マップを見る。
さっき、爆発音が聞こえたがその発生源は栄光の間らしい。
小松と高ちゃんが死んだ。前田も死んだ。
そして、館入が今教官室の方へ歩いていっている。
「コウタ!」
遠藤の声。さっきからやけにいらいらしているオーラが漂ってくる。
「何だよ」
「タオルの水変えにいくからマップ貸して」
「はいよ」
遠藤は切羽詰った顔で俺を見た。そんなに小原千明が心配か。
つい一時間前の遠藤とは大違いだ。
俺はDSマップを遠藤に手渡した。
324 :びわ:2007/01/07(日) 22:22:18.22 ID:s936oG6t0
遠藤は勢いよくドアを開けて、水のみ場の方へ走っていった。
つくづく思う。あいつ、一体どんな性格なんだろう、と。
「……コウタ?」
背後で声がした。優しい声。俺は振り向く。
机を二列に5台ほど並べたベッドの上で、小原がこっちを向いていた。
「……なんで、私ここに居るの?」
「色々と事情を説明したいところだけど」
小原は不思議そうな顔でこっちを見ている。
「まずは遠藤が帰ってきてから話そうか」
「え、えんどう?」
小原の顔が一気に明るくなる。
「遠藤ここに居るの?」
「さっきまでお前の看病してたよ。小一時間ほどな」
小原はベッドから飛び降りた。そして奇声を上げて飛び回った。
327 :びわ:2007/01/07(日) 22:26:46.95 ID:s936oG6t0
「えんどー居るんだ! えんどー居るんだ! まだ生きてるんだ!!」
ただでさえ狭い5組を走り回る。
こいつ、さっきまで倒れてたのは一体なんだったんだ?
小原の性格もよくわからない。あまり話したことがない。
強いて言えば、小さくて、子供っぽいような。そんな感じ。
今見ている感じでは、その印象に間違えは無さそうだ。
「千明! 起きたんだ!」
俺が振り返るまでもなかった。
遠藤は扉を開けるなり、小原に駆け寄った。
小原が駆け寄ったのか遠藤が駆け寄ったのかはよくわからないが、
二人は抱き合った。そして何故か泣いた。
「生きてて……よかったね」
「……うん」
それから、しばらく無言。
俺は気をきかせるつもりで電気をつけてやった。
329 :びわ:2007/01/07(日) 22:29:48.18 ID:s936oG6t0
聞きたいことが小原には何個かある。
瞳や弘幸を殺したのはお前か、とか。どうやって生きてたのか、とか。
お前の武器はいったいなんなんだ、とか。
でもその質問をする必要はなさそうだ。
こんな小さくて子供っぽい奴がヒトゴロシなんて出来るわけがない。
いや出来ない。
遠藤と小原が感激した声でなにやら話していたが、俺は耳を傾けなかった。
ベッドの近くの血まみれのショットガンは、ありゃおそらく弘幸か瞳が使ったものだな。うん。
そういえば、DSマップをまだ返してもらっていなかった。
328 :かんしょ:2007/01/07(日) 22:29:27.07 ID:9GboKZmJ0
下手なSSスレより面白いんじゃないのか?コレ。
330 :びわ:2007/01/07(日) 22:30:32.61 ID:s936oG6t0
>>328
苗字を少々いじくればまとめサイトを作っても良いような……
まず完結させることだな。
334 :鯰:2007/01/07(日) 22:39:51.96 ID:STVAsMT1O
面白いなあ
最後まで頑張ってくれ>>1
332 :びわ:2007/01/07(日) 22:33:35.67 ID:s936oG6t0
「遠藤。おい遠藤!」
涙でボロボロになった顔で千明と話している遠藤。
三回呼びかけたところでやっと振り向いた。
「何さ?」
「マップ返してくれ」
「ああ! 忘れてた!」
遠藤は手を叩いて自分のポケットの中をまさぐって、DSマップを出した。
「ほら、ありがとさん」
小原看病してた時のテンションと全然違うな。B型恐るべし。
俺はほんわりと暖かいDSマップを手にとった。
死人が、一人増えていた。
……高ちゃん、か。完全には息絶えてなかった高ちゃんが今死んだようだ。
【12人】
333 :びわ:2007/01/07(日) 22:38:01.45 ID:s936oG6t0
<誤解>
「で」
マミが銃をおろした。
「お前は何をして欲しいんだ?」
俺たちの目の前では竹原チホが泣いている。
普段から大人しいのもあるが、これほど取り乱している竹原を見るのは初めてだ。
「な、奈々子ちゃんを、殺して下さい!!」
「………え? 何で?」
長谷。あいつを? あの天然で頭の周りに蝶が飛んでそうなお嬢様、長谷をか?
「わたし、このままだと絶対奈々子ちゃんに殺されるんです!」
「……あのさぁ竹原。俺らも命がけでここまで来てるわけ。自分で撒いた種は自分で責任取ろうよ」
竹原は今だに泣くのをやめない。
一体こいつ、長谷に何をしたんだろう。
337 :びわ:2007/01/07(日) 22:42:28.97 ID:s936oG6t0
「無理なんです! 私じゃ絶対殺されますよぉ!」
マミは困った顔をしている。俺も同じような表情をしていたと思う。
「………どうする、拓朗」
「どうするって言われても、な」
まずここは職員室前のA階段だ。
ここで誰かに声を拾われるのは非常にまずい。
そして竹原に恨みをもった長谷がここへくるかもしれない。
そうなった時に、俺たちの命は危ない。
「まずお前、長谷に何したんだ?」
マミが俺も言いたかった質問をしてくれた。
「え? 何って……特に何もしてません」
竹原が涙を堪えながら返答する。
「何もってお前そんなはずないだろうが」
「いや、何もして無いんです! ただスタンガンで気絶させただけなんです!!」
……こいつ、少々頭の中がおかしくなっているらしい。
スタンガンで気絶させたらそりゃ、怒るわな。
339 :びわ:2007/01/07(日) 22:46:59.10 ID:s936oG6t0
「マミ、行かない?」
俺はA階段を降りながらマミに向かって手招きする。
「ラチがあかないじゃん」
「いや! 行かないで! 私死んじゃうから! 嫌だ! 行ったらいやだ!!」
竹原の狂ったような叫び声が耳に突き刺さる。
マミは竹原をじっと見つめていた。
「……俺さ、拓朗」
「何だよ? 早く行こうぜ?」
「長谷と話し合って竹原と和解させるよ」
マミの顔は真剣だった。
竹原は叫ぶのを止めた。
そして、静かにこういった。
「……無理です。あの人はもう人間超越してます」
340 :びわ:2007/01/07(日) 22:48:36.25 ID:s936oG6t0
「でもさ、話し合ってみる価値はあると思うんだよね」
「マミさん、殺されますよ?」
何故竹原がそこまで長谷を怖がっているのだろう。
それがわからない。長谷に人が殺せるわけないのに。
そう思っていた。
甘かった。後悔した。
後悔したときには遅かった。
人影が見えたが早いか、銃声が聞こえた。
343 :びわ:2007/01/07(日) 22:51:00.58 ID:s936oG6t0
「いや! いや!! 死にたくない! 助けてぇぇ!!」
竹原が狂ったように叫んでいる。
俺はその人影を確認するのに数秒かかった。
こんな奴、俺のクラスに居たっけ?
振り乱している髪。
血で元の色がわからなくなっている制服。
右手にはペレッタ。
左手にはサーベル。
そして、いつもの優しい笑顔。
「チホちゃん? さっきのこと、忘れて無いよ?」
ゆっくりと、でも確実に、長谷は竹原に近寄っていった。
348 :びわ:2007/01/07(日) 22:55:30.09 ID:s936oG6t0
とっさにマミの方を見る。
怯えているような、何か決心しているような。
テストの答案を返してもらうときの表情。もう諦めているような。悟っているような。
そんな表情をマミは浮かべている。
「長谷」
マミは落ち着いた……無理に自分を落ち着かせようとしているような声を出した。
「ここは……話し合わないか?」
「え?」
長谷が竹原の方からマミの方へ向き直る。
「話し合う? 何を?」
「えっと……俺は何も知らないけど、何かトラブルがあったんだろ? 長谷と竹原の間で。
んでお前らいがみ合ってるんだろ? だからここで話し合えよ」
5秒ほど、静かな時間が流れた。
長谷は一瞬微笑を崩した。
「な、何言ってるのマミ。あなた、今私たちが何してるかわかってる?」
「殺し合いだろ」
344 :みつば:2007/01/07(日) 22:51:03.84 ID:IsdLtj+3O
うわあああああああああマミ死ぬなああああああ
351 :鯰:2007/01/07(日) 22:56:17.84 ID:STVAsMT1O
マミ死ぬなよ…!!!!
352 :びわ:2007/01/07(日) 22:57:30.66 ID:s936oG6t0
<恩恵>
正直、怖い。
もうこいつは長谷じゃない。血の匂いが猛烈にする。
きっと、長谷が一方的に竹原を追い詰めていたに違いない。
そして俺も下手すれば…下手しなくても殺される。
だが。俺は、決めたことがある。
マタマ。お前のかっこよさを、俺は忘れない。
359 :もも:2007/01/07(日) 23:02:00.02 ID:s936oG6t0
「あのさ、長谷。そのセリフさ、スケミからも聞いたよ」
なるべく長谷の目をみて話す様に努力する。
長谷の目は、笑っていた。尚更怖い。
何故今笑えるのか。
「そう。ミサキちゃんも同じこと思ってたのね。当然だわ」
長谷は一歩俺に近づく。そしていっそうニヤリと笑う。
「だって、それが真実でしょ? これは馴れ合いじゃないのよ?」
「わかってる」
拓朗がA階段を登ってきていた。
「マミ大概にしとけ。逃げよう」
逃げたいさ。そりゃ逃げたいよ。
でも、俺。ここで逃げたらなんか申し訳ないような気がして。
「でもさ、こういうときだからこそ協力するのが友達かなー、なんて」
「……いいわ」
長谷は俺から目線を逸らす。
「私はあなたを殺さない。この状況にそんなかっこつけたことが言えたご褒美としてね」
嫌な予感がした。
362 :もも:2007/01/07(日) 23:05:08.36 ID:s936oG6t0
「チホ」
長谷の声に竹原は悲鳴で答える。
「ちょっとお願いがあるんだけど」
「い、嫌! 私、人殺すなんて、いや!!」
竹原はまた狂ったように叫びだす。
「そこの馬鹿マミさんを殺したら、私をスタンガンで気絶させたことを忘れてあげてもいいわよ?」
「え?」
途端、竹原の表情が引き締まる。
おいおい嘘だろ……竹原。
「じゃこれであいつの体を打ち抜くのよ」
長谷は竹原にペレッタ…よく見ると血がべっとりとついている…を渡した。
「よーく狙ってね。あと弾5発しか入ってないんだから」
365 :もも:2007/01/07(日) 23:08:50.75 ID:s936oG6t0
「……撃つなら、撃ってもいいよ」
心にも無い言葉が口をついた。
何だが自分が不死のような気分になる。
竹原は、今にも泣き出しそうだった。
銃口は震え、照準は定まらず、今にも泣き出しそうで。
「……い、嫌だ。嫌だよ!」
「伏せろ竹原!!」
拓朗の声がした。
銃声。
倒れた。竹原がその場に倒れた。
バケツから、泥がこぼれたような音がした。
367 :もも:2007/01/07(日) 23:10:55.24 ID:s936oG6t0
「私があなたをそう簡単に許すわけないじゃない」
長谷が呟く声。
瞬間、拓朗が何か叫んだ。
それは聞き取れない。意味不明なことを叫ぶ。
そして、長谷の方へ飛び掛る。
長谷は冷酷な笑みを浮かべながら拓朗の猛攻を華麗に交わし、銃を構えた。
「……なんでこうも人間って、無駄に死ぬのかしらね」
また銃声。
368 :もも:2007/01/07(日) 23:12:22.46 ID:s936oG6t0
倒れた。
竹原が倒れたのと同じ音がした。
悲鳴も何もあげずに、長谷はその場に倒れた。
頭から、血が綺麗に流れていた。
374 :もも:2007/01/07(日) 23:14:58.96 ID:s936oG6t0
「マ……マミか」
拓朗の声。
「今撃ったの、マミか?」
気付くと、俺は銃を手に持っている。
その銃からは煙が出ている。
どうやら長谷の頭を打ったらしい。
長谷の血が、白い上靴にしみこんできている。
「……人って変わるよな。スケミにしても、長谷にしても」
拓朗が呟く。寂しそうな声で。
「誰も悪い人なんていないのかもね」
「確かに、な」
竹原と長谷の周りには、真っ赤な絨毯が敷き詰められているかのようだった。
【10人】
378 :えのきだけ:2007/01/07(日) 23:17:16.16 ID:R6cEdjsQO
うぉぉーっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マミカッコいいぞーっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
377 :もも:2007/01/07(日) 23:16:30.86 ID:s936oG6t0
忘れてた奴ら
瀧口(最初の音楽室で目覚めた奴)・植木(毒おにぎり持ってる奴)
生き残ってる奴ら
コウタ・遠藤・千明・マミ・拓朗・館入・渡部・益田
381 :あさつき:2007/01/07(日) 23:19:56.65 ID:U3rXzTok0
コウタはチャックを下ろし、巨根をとりだした。
館入「すごく・・おおきいです・・・」
アッアッアッーー!
383 :もも:2007/01/07(日) 23:23:13.54 ID:s936oG6t0
>>381
ねーよwwww
前田と小松ならまだしも、館入は天才だぞ?
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