その1 その2 その3 ←いまココ その4
その5 その6 その7 その8
※ちょいグロがあるからそれ系が嫌いな人は読まん方がいいかと。
※この物語はフィクションです。実際の人物や団体には一切関係ありませんよ。
146 :平核無:2007/01/07(日) 17:40:14.37 ID:s936oG6t0
<天才>
「水上琢磨が小原千明に殺された」
館入が呟く。
「え? あの空手やってる琢磨がチビの小原に殺されたの?」
「殺し合いってのはどんなことでも起こる」
前田は館入のパソコンを改めて凝視する。
3年2組35人の名前がアルファベットで表示されている。
その中に、takuma mizukami dead AM9:02 by tiaki obara という行があった。
全員の名前がローマ字で表示されていて、誰が死んだか、いつ死んだかがわかるようになっていた。
「……つくづく思うよ館入。お前って、天才だな」
「いや全然」
館入はそっけなく答える。さっきからキーボードをせわしなく打っている。
「この首輪は常に電波を発している。だから俺がそれを解析するプログラムを作って、それぞれの居場所を表示してる」
「……そんな淡々というけど、やっぱすごいよお前」
「いや全然」
正直、館入は怖い。
仲間にいるからこそ頼もしいが、敵に回していたらとても厄介だろう。
容赦なく殺しそうだし、計算しつくした作戦で挑んでくるだろう。
でも今は仲間。頼もしすぎる。
「よし。盗聴ソフト完成」
館入は人差し指でエンターキーを押す。
「と…と、盗聴?」
「うん。盗聴」
148 :平核無:2007/01/07(日) 17:41:57.70 ID:s936oG6t0
館入は前田の方を向く。少しだけ微笑んでいた。
「どういう仕組みで、何を盗聴するんだ?」
「この爆弾つき首輪にはマイクがついてる。その電波を乗っ取れば、好きなときに好きな奴の声が聞こえる」
館入は前田のPSPを引っ手繰る。
「ちょ、何するん…」
「今このソフトを前田のPSPに移す。そして3階が禁止エリアになった後も使えるようにする」
館入はUSBケーブルをどこからともなく取り出すと、PSPに接続した。
そしてヘッドホンも取り出す。こいつのリュックは四次元ポケットか?
「少し時間がかかるから、盗聴のチェックでもしといてよ」
「お……おお」
少し展開についていけなくなりかけた。館入って本当にすごいんだな。前から不思議な奴とは思ってたが、まさかここまですごいとは。
前田はヘッドホンを頭にかける。
「誰の様子が知りたい?」
「ん……誰にしよっかな」
前田は少し考え込む。
真っ先に浮かんだのは、友也だ。
友也は今、何をしているのか気になった。
だがあいつのことだ。黙ってどこかに隠れているのかもしれない。
盗聴の意味がそれではない。
ならば……誰でもいいや。誰でも。
「館入の好きな人でいいよ」
「了解。じゃ、適当に」
これは、……誰の声だ。
女子同志で話をしている。
149 :平核無:2007/01/07(日) 17:42:48.00 ID:s936oG6t0
<平和>
「これで誰も入ってこれないね、尚美ちゃん!」
「そうだね」
快活な声。川原瞳はいつだってそうだ。
八方美人。誰にだって話を合わせることが出来る。それが彼女のすごいところ。
私にはとてもではないが、出来ない。
「うん。このバリケードを張るのは時間がかかったよ」
「ひっと! ちょっと休憩しない?」
「わかった!」
私と瞳は、2階保健室にバリケードをはって、立てこもっていた。
最初は保健室の向かい側にある大きい会議室で私が震えていたところに偶然にも瞳が訪ねてきてくれた。
そして保健室に移動。あそこはシップや包帯、治療するための道具がたくさんあってとても便利だ。
明日までここは禁止エリアにはならない。ならばいっそここに立てこもればどうだろう?
そんな考えを私が提案すると、瞳は
「お! 尚美ちゃん頭良すぎるよ!」
と快活に笑った。そして今に至る。
ドアの前には身体測定の時に使う体重計、身長測定機、座高測定機。
それに冷蔵庫やベッドの一個までごちゃごちゃと置かれている。
「これで絶対敵は入れないよ」
「でもさ、ひっと」
「ん?」
「私たちが出る時はどうするの?」
「………ま、どうにかなるって!」
151 :平核無:2007/01/07(日) 17:43:15.84 ID:s936oG6t0
瞳は笑ってごまかした。嗚呼。普段の教室で話してるみたいだ。
「私たちさ、殺し合いしてるって実感がわかないよね」
「うん……確かにね」
私は瞳と一緒に少しだけ笑い合う。
本当に実感が沸かない。
昨夜に保健室に来てから、ちゃんと睡眠もとっているし、ケガもしていない。
私たちがまったりと時を過ごしている間にも他の皆は殺し合いをしているんだ、と考えると少し複雑な気分になる。
「ところで尚美ちゃん、武器なんだった?」
「え?」
予想外の質問に、私は少し驚く。
「私は、地雷二個。こんなのどうやって使うのか、わからないよね」
「えっと……ちょっと待って」
そういえば、私のカバンは他の人より少し……いや数段大きい。
吹奏楽でチューバを入れる袋がある。それくらい大きい。
一体なにが入っているんだろう。私は怖さと好奇心が入り混じった気分で鞄を開けた。
「何これ……大きい」
「え? え? うわ、おっきい!尚美ちゃんこれすごいよ!」
鞄の中に入っていたのは、とても大きい銃だった。
抱えないと撃てないし、とても重い。
「これって、たぶん一番強い武器じゃない?」
「えへへ、そうかな」
私は何故か少し照れる。そりゃそうだろう。
こんな大きくて破壊力もありそうな銃、そんなにあるもんじゃない。
152 :平核無:2007/01/07(日) 17:43:43.24 ID:s936oG6t0
「尚美ちゃん、その銃すごいねー! 私感激しちゃったよ!」
「そんなに感激しなくても良いと思うんだけどな…」
瞳は少しのことでも大袈裟にリアクションする。それが皆から好かれるコツかもしれない。
「もっと近くでみたいな。尚美ちゃん、その銃とって」
「え、うん。わかった」
銃を持ち上げる。結構な重量だ。
「じゃ、重いから気をつけてね」
「うん、わかってるわかってる」
瞳は笑顔で銃を受け取る。だがその重さに驚いた顔をした。
「あ、本当だ。めちゃ重たいよ!」
瞳と私は顔を見合わせる。そしてまた笑う。
平和だ。殺し合いなんて、無いみたいだ。
もしかしたら、私たち生き残れるかもしれないな。
2人で生き残って、瞳は頭が良いから2人で生き残れる方法を考えて、実行するの。
そしたら来年もまた2人で面白い話が出来るのにな。
突然、鋭い音が室内に響いた。
目の前が、真っ暗になった。
153 :平核無:2007/01/07(日) 17:44:03.21 ID:s936oG6t0
<残酷>
「悪いねー尚美ちゃん」
私は渋谷の体を見る。
粉々。そんな言葉がぴったりだ。体が、ない。ばらばらに割れた破片みたいだ。
この銃、どんだけ威力があるんだ。私も反動で椅子から落ちてしまった。
……うわ。これはインパクトが強いな。ちょっと吐きそうだよ。
首だけはそのまま。床に転がっている。
「幸せそうな顔だね、尚美ちゃん」
私はその首を蹴ってやる。即死か。ごく普通の表情。それが逆に気味が悪い。
恨まないでほしいな。この密室で確実に相手を殺せるとわかったなら、誰でも絶対に殺すよ。
今、私たちは殺し合いをしているの。それを忘れていた渋谷が悪いんだから。
最初から私は渋谷を捨て駒程度にしか思っていなかった。
二人で居ればそれなりにあいつは協力してくれるし、いざと言う時の盾にもなる。
こういう時のためにも、友達というものは作っとくべきだったな。
制服が血と肉でどろどろになった。着替えよう。
私は吐き気を堪えながら替えのジャージが入っているタンスを開けた。
【25人】
154 :平核無:2007/01/07(日) 17:44:25.04 ID:s936oG6t0
<恐怖>
「前田、インストール終わったぞ。PSP返す」
館入の声で俺は我に返った。
怖い。怖すぎる。あんな奴だったっけ川原って?
……ものすごい銃声がした。何かが飛び散る音。
その後、川原が「悪いねー尚美ちゃん」と呟いた。
そこで俺は耐えられなくなってヘッドホンを外したんだ。
「どした前田? 具合でも悪いか?」
館入が俺の顔を覗き込んでいる。
「いや……別に」
「さっきまで川原のマイクをonにしていたが、そのせいだろ」
図星。
「別に驚きもしないだろ。最初から川原はあんな奴だったんだからな」
まだ鼓動が収まらなかった。しばらく身動きがとれなかった。
これが……殺し合い、か。友也はまだ生きてるだろうか。
俺はPSPの画面を見る。もうそこには館入が操作しているPCと同じ画面が映っていた。
tomoya komatsu 大丈夫だ。まだ死んでいない。ほっとした。
「おい、あと1時間でここ禁止エリアになるから移動するぞ前田」
「うん、わかった」
館入の声に、俺は出来るだけ明るく対応する。
大丈夫。館入と居る限り、絶対俺は死なない。確実に生き残れる。
心の中で少し笑うと、俺は出口へ向かった。
「アホ。さっきも言っただろ前田」
155 :平核無:2007/01/07(日) 17:44:57.10 ID:s936oG6t0
館入の感情の篭っていない声。俺は振り向く。
「B階段は人がいる可能性が極めて高い。C階段なら人のいる確率は20%弱。C階段側の出口から出るぞ」
「わ、悪い」
さっきから俺、館入に圧倒されまくってるな。
少し恥ずかしい思いがこみ上げて来た。違う出口に向かっている館入を小走りで追いかけた。
「あ、それとさ」
館入が前を向いたまま呟くように言う。
「さっき蔵根佑が益田奈央に殺されたよ」
一瞬、ほんの一瞬だが目の前が真っ暗になった気がした。
急いでPSPを確認する。
yu kurane dead AM 10:47 by nao masuda
tomoya komatsu と書かれた上にそう表示されていた。
【24人】
156 :平核無:2007/01/07(日) 17:45:37.12 ID:s936oG6t0
<実感>
何故だろう。何故何も感じないのだろう。
人を、殺したのに、何故私は平然としていられるのだろう。
私は蔵根の死体に突き刺さった鎌を抜く。血が溢れ、私の制服にもべったりとこびりつく。
……おかしい。私はおかしいのか。
自分が怖いほど冷静だ。
今までの出来事を思い返してみる。
体育館の横の女子更衣室からすぐ前の水飲み場に行った。
ペットボトルの水が切れ、とても喉が渇いたのだ。
敵が居るかもしれないとかそんなことは考えてなかった。
むしろ、この水飲み場は死角だ。目立たない。
私は堂々と更衣室から出て、水飲み場で水を飲んだ。
まずかった。一日だしていない水は、鉄のような味がする。
それでも喉が渇いていたので、たくさん飲んだ。
飲み終わり、私は鏡で自分の顔を見る。
いつもの私。益田奈央だ。
……桂湖は今何してるだろう? まだ生きてるかな。
朝の放送では桂湖の名前は読まれなかった。
「まだ生きてるよ。彩那と合流して、なんとかやってるよ」
私は鏡の自分に言い聞かせる。
そしてものすごく驚いた。
157 :平核無:2007/01/07(日) 17:46:07.97 ID:s936oG6t0
鏡に、男が映っていた。
背後に、蔵根が居たのだ。
そこから記憶が曖昧になる。格闘したような、しないような。
何故かその時武器である鎌を持ってたので、蔵根の体のどっかに突き刺したら倒れた、と思ったんだけどな。
蔵根が首を絞めてきたような気もする。だが定かではない。
曖昧だ。
本当に私が殺したのは、蔵根なのか。
私はもう一度死体を確認する。
女っぽい顔つき。まぁまぁのルックス。蔵根だ。間違いない。
死体の匂いがだんだんきつくなってきた。
とにかく、こんな水飲み場の狭い空間で殺しあったなど信じられない。
血が上履きを赤く染めている。赤いというより、黒い。
理科で二酸化炭素が一杯の血液は黒くなると教わった。
死体というのは、気持ち悪い。ここに居ると欝になってくる。
私は移動することにした。
……桂湖でも、探そうかな。
158 :平核無:2007/01/07(日) 17:46:51.27 ID:s936oG6t0
<状況>
よく考えろ、僕。
一番の危険人物は誰だ、よく考えろ。
そいつの位置を把握しておく必要がある。
「コウタ、さっきから2時間くらい地図見てるけどさ、何か面白いことでもあんの」
……ったく、何て気楽な奴なんだ。口からため息が漏れる。
「全員の位置をだいたい把握しようとしてるんだよ」
「へー。コウタえらいね」
「いや、えらいとかそういう問題じゃなくて」
5組に来てからずっと誰がどこにいるかを大会規約の裏に書き殴っていた。
だが2時間もすると場所が変わってくる奴もいるし、死んだ奴も2、3人居た。
渋谷や直ちゃん、蔵根はともかく、琢磨が死んだのは少し驚いた。
あいつは確か空手を習っているし、直ちゃんを殺したのも琢磨だ。
何か協力な武器を持っているのかも知れない。
だが、それ以上に驚いたのが琢磨を殺したのが小原だったという点だ。
一体どんな武器を持っているのだろう?
僕は蔵根の文字の横にバツ印をつけた。
「へー、コウタよくそんな面倒臭いことするねー」
「いや、僕お前とは脳の構造が違うから」
「そりゃそうでしょ。脳の構造が同じ人なんていないから」
表情を変えずに沙耶は言った。
遠藤は感情をあまり表情に出さない。
特に怒りの感情。たまにあいつが何を思っているのかわからなくなる時がある。
とにかく、普通の女子とは少し違うのだ。遠藤は。
159 :平核無:2007/01/07(日) 17:47:16.69 ID:s936oG6t0
「お、すごいすごい。こんなによくまとめたねー」
「たった今完成したとこだよ」
ケイゴ:説明の時死亡
蔵根:男子更衣室→女子水のみ場→死亡
小松:1年3組
直ちゃん:美術室→死亡
近藤:2階給食室
スケショウ:6組→死亡
タカちゃん:栄光の間
「栄光の間って、あのトロフィーがあるところだよね」
遠藤は紙を見ながら僕に問いかける。
「たぶんね」
「いいな、私もそこで目覚めたかったな」
「確かにあの寒い部室よりは良いかもしれないね」
遠藤は少しだけ笑う。
「それと、直ちゃんと近藤が逆だよ」
「……あ、間違えた……」
160 :平核無:2007/01/07(日) 17:47:33.99 ID:s936oG6t0
カズマ:コンピュータ室→第二美術室
拓朗:左の理科室→手前の相談室
前田:コンピュータ室→第二美術室
タマハシ:
「ねぇ」
「また出席番号間違ってた?」
「いや、そうじゃなくて」
紙から俺の方へ視線を移動させた。
「マタマのところ空欄なんだけど」
「え?」
忘れてた。確かタマハシは見当たらなくて保留にしておいたんだった。
死んでないし。死んでたとしても下の分数と数が合わないし。
あとでもう一回探してみるか。
「玉橋ね、保留にしといたんだ。見当たらないから」
遠藤はもうすでに紙の方に視線を映していた。
161 :平核無:2007/01/07(日) 17:47:58.36 ID:s936oG6t0
マミ:左の理科室→手前の相談室
「マミは拓朗と行動してるわけか」
「うん。何でだろーね。あの二人が一緒に行動なんて、少し不思議」
「いやそうでもないよ。マミと拓朗って案外仲いいじゃん」
……そういわれてみればそうかも知れないな。
拓朗とマミが喧嘩しているのはあまり見たことが無い。
凌:死亡。場所不明
タクマ:美術準備室→2年4組→死亡
岩崎:美術室→視聴覚室
植木:1年4組
遠藤:5組
「コウタ、遠藤のことまで書いてるんですか」
「……いちいちいいだろそんなこと」
「へへへへ」
なんか照れくさいような顔をしている。
よくわからない。
162 :平核無:2007/01/07(日) 17:48:20.78 ID:s936oG6t0
小原:2年4組→2階廊下(保健室前)
「え? チャーキ廊下に居るんだ!」
「廊下って言っても保健室と放送室前のへこみだよ」
「でも危ないよ。昨晩放送室で……」
遠藤はそこで言葉を切った。そしてまた紙を見た。
少しだけ心が痛くなった。
潟端:2年2組
瞳:保健室
佐藤知香:2年2組
佐藤美咲:金工室
ユカ:放送室→死亡
渋谷:保健室→死亡
みさき(祐):印刷室
「ねェコウタ」
「……お前は黙って読めないのかよ」
「印刷室ってどこ?」
「あの相談室が2部屋ならんだ一番奥にある部屋だよ」
遠藤は曖昧な相槌を打つ。
163 :びわ:2007/01/07(日) 17:48:50.04 ID:L+rbiihr0
ごうけん「いやだぁあぁっぁぁぁあああぁぁぁあぁあぁああっぁあ」
鈴蚊「フヒヒヒヒヒ・・・」
ごうけんは音もなく崩れ去った。
鈴蚊「やってない(泣」
数日後
鈴蚊「やった」
164 :平核無:2007/01/07(日) 17:49:25.59 ID:s936oG6t0
高田:職員室
瀧口:音楽室
竹原:2年2組
坪田:死亡。場所不明
中尾:死亡。場所不明
長谷:2年2組
奈央:女子更衣室→音楽室前廊下→木工室
渡部:教官室
和田:死亡。場所不明
「私の友達が二人も死んでるよ」
遠藤の感情が篭っていない声。
正午12時のサイレンが鳴り響く。
同時に、放送が入った。
165 :平核無:2007/01/07(日) 17:49:49.18 ID:s936oG6t0
<微笑>
「あと5分で3階が禁止エリアになるぞ」
放送。先生の声。そっか、もう12時か。
横では奈々子ちゃんが足を伸ばして座っている。
「チホちゃん」
私は横を向く。
「あたし、良いこと考えたよ」
何だろう。何をする気だろう。
「こいつら、3階に捨ててこよう」
前では佐藤知香と潟端翔が気絶している。
5分前くらいに私がスタンガンで気絶させた。
かなり危険な任務だった。2年2組にこっそり侵入。気付かれないように忍び寄り、スタンガンで気絶させた。
奈々子ちゃんの持っているサーベルは、殺傷能力こそ高いものの外れれば相手に反撃される恐れがある。
その点スタンガンは一発で相手を気絶させられるという利点があった。
それにしても奈々子ちゃんは恐ろしい。
147 :平核無:2007/01/07(日) 17:41:14.84 ID:s936oG6t0
ここまででどのくらい痛い?
169 :みょうが:2007/01/07(日) 18:11:16.96 ID:R6cEdjsQO
痛さMAX
面白さMAXだな
167 :インフルエンザ:2007/01/07(日) 18:05:17.80 ID:PE8ob2tK0
面白いなwwwwwwwwww
172 :生しいたけ:2007/01/07(日) 18:29:24.00 ID:cQaNH1e40
規制か…?
173 :みょうが:2007/01/07(日) 18:35:11.66 ID:R6cEdjsQO
山田にしとけば規制にはかからなかったかな…
174 :生しいたけ:2007/01/07(日) 18:36:26.95 ID:cQaNH1e40
>>173
そっちかよwww
182 :蜜屋:2007/01/07(日) 19:52:18.46 ID:s936oG6t0
今帰ったっす
お待たせしました
186 :蜜屋:2007/01/07(日) 19:55:07.03 ID:s936oG6t0
先ほどからどうやってこいつらを殺そうかと涼しい表情で考えている。
ちなみに知香と翔ちゃんを殺すのを提案したのも奈々子ちゃんだ。
ついていけない。この人には。
「そこのテレビ置く台に二人を載せるよ」
奈々子ちゃんは教室の前方を指差す。
何故かそこには保険や理科の授業の時たまに使うテレビとその台車があった。
「うわ、こいつ重いなぁ。チホちゃんそっち持って」
私は知香のほうへ歩み寄る。……いきなり起きたりしないだろうか?
「念のためにもう一回スタンガンやっといてよ」
まるで私の心を読んだかのようだ。私はそれに従う。
もし従わなかったならば、何をされたものかわかったものじゃない。
殺される。サーベルで、切り殺される。そして捨てられるだろう。
「いや、やっぱり良いや。チホちゃんストップ」
187 :1:2007/01/07(日) 19:55:38.44 ID:s936oG6t0
私の視界に、銀の塊が顔を現す。背中に毛虫が這っているような寒気がする。
「もう時間が無いから、私が殺しちゃうね」
奈々子ちゃんは微笑む。満面の笑み。
微笑みながらサーベルを勢い良く振り下ろした。
見ていられなかった。後を向いた。
バケツから水がこぼれたような音がした。
足音が、私の後ろを通過した。おそらく翔ちゃんも殺すのだろう。
少しの間が空き、やはり水が飛び散る音。酷い。酷い。酷すぎる。
腐った肉のような匂いが鼻を突く。吐きそうになる。
「ねぇ、臭いから窓からこの死体なげるよ。チホちゃん手伝って」
手伝わなければならない。
スタンガンをポケットにしまい、恐る恐る後ろを向いた。
「うん。わかった」
出来るだけ明るく返答した。
奈々子ちゃんは笑っていた。
私も笑った。
足元が、赤かった。
人形のように、死体が2つ転がっていた。
【22人】
188 :1:2007/01/07(日) 19:56:21.90 ID:s936oG6t0
<変化>
「お、あと5分で3階が禁止エリアか」
放送の後、拓朗が呟いたので、俺は時計を見る。
正午12時ちょっきり。あと5分で3階が禁止エリアになる。
何気なく首輪を触った。冷たい鉄の感触。
「まさかこんな時に3階に居るお馬鹿さんは居ないよな、マミ」
「わかんねぇぞ、案外鈍い奴は3階で寝てたりするんだ」
拓朗は寂しげに笑った。彼はあまり気分が優れないようで、顔色が悪い。
ま、俺もそんなに気分は良くない訳だが。
気分が良いやつなんて、居るわけ無いよな。俺らは今殺し合いをしているのだから。
「マミ」
「ん?」
「俺、ちょっと便所行ってくる」
拓朗は相談室の座り心地の良い椅子から立ち上がる。
怒られる部屋なのに座り心地が良い椅子を置く学校の意図はよくわからない。
俺も今行っとくかな。一人で行くのも少し怖いし。
何があるかわからないし。
「拓朗待って。俺も行く」
俺は拓朗を呼び止めて、一緒に部屋から出た。
189 :1:2007/01/07(日) 19:57:17.00 ID:s936oG6t0
職員便所は、狭い。
当たり前といえば当たり前だ。職員しか使わないのだから。
だが助かった。相談室の隣にあって、3歩も歩けば到着する。
俺と拓朗は無言で用を足した。便所のなかは少し冷えた。
「おいマミ、手洗わないのか」
便所から出ようとすると、拓朗が俺を呼び止めた。
「実はな、俺便所で手を洗う習慣が無いんだ」
「汚ねぇな。それだからモテないんだぞ」
「余計なお世話だ!」
俺も拓朗も少しだけ笑った。
気分が、ちょっとだけ和んだ。
何気なく便所から出た。
廊下はストーブが入っているらしく、暖かい。
殺し合いの時にストーブをつけるなんて、学校側はサービスが良いな。
「マミ! 避けろ!」
背後で叫び声が聞こえた。
とっさに体を職員室側の壁に寄せる。そして後を振り向いた。
190 :1:2007/01/07(日) 19:57:47.74 ID:s936oG6t0
A階段側に、女子……祐川美沙希が立っていた。
一瞬ジャージを着ているのかと思った。だがそれは血がついた制服。
赤い手袋をはめているのかと思った。だがそれは血のついた手。
赤い刀を持って、こっちを向いている。
「……ちっ! 拓朗、余計なことを!」
いつもと声のトーンが違うスケミ。拓朗は俺の背後から飛び出し、水鉄砲を構えた。
「なぁスケミ、お前、俺を殺そうとしてたわけじゃないんだろ?」
全身から汗が吹き出てくる。足はガクガク震え、歩こうと思っても歩けない。
金縛りにあったみたいだ。
「え? マミ、なに寝ぼけたこと言ってるの? 今私たち殺し合いしてるんだよ?」
スケミは静かに言い放つ。
「殺そうとしてたに決まってるじゃない」
「てめぇ、失せろや!」
怒鳴った拓朗の声が耳を刺した。水鉄砲の先から液体(拓朗曰く、塩酸と硫酸を混ぜたもの)が吹き出る。
「あはははは! そんなもので人が殺せるとでも思ってるの?」
液体はスケミの赤い制服に命中する。血が、みるみるうちに落ちていく。
「洗剤でも発射したの? 洗濯してくれてありがとう」
「今度は顔面を狙う」
拓朗の顔が完全に強張っている。それに対してスケミの顔は余裕だ。
心なしか、拓朗がスケミに気圧されている。そう感じる。
191 :1:2007/01/07(日) 19:58:15.96 ID:s936oG6t0
「その前に私がお前を殺すけどね」
叫びもせず、怒鳴りもせず、静かにそう言ったが早いか、スケミは状態を低くした。
「避けろ!」
叫ぶことしか出来ない自分が恨めしい。だが怖くて足が動かない。
拓朗は完全にスケミの動きに翻弄されていた。素早くスケミが拓朗に近寄る。
「さよなら」
刀を振り上げ、スケミは呟いた。拓朗が、死ぬ。
何でお前はそんなに淡々と人を殺せるんだよ?
畜生、足が動かない。周りの風景がスローモーションに。
刀が、ゆっくりと拓朗の肩に振り下ろされる。
銃声。
職員便所の、ガラスが割れた。
192 :1:2007/01/07(日) 19:58:42.08 ID:s936oG6t0
ガラスの破片が飛び散る。俺はとっさに手で顔をかばう。
「……痛っ!」
高い声。ガラスの破片で、拓朗の顔のところどころから血が出ていた。
だが、その声は拓朗ではなかった。拓朗はポカンとした表情で前を見ていた。
足元に、スケミが肩を抑えてうずくまっている。
血が、俺の上履きに流れてきていた。
スケミの表情は、見えない。だが相当痛がっているに違いない。
呻き声が細切れに耳を突いた。
「マミ、けがとかしなかった?」
また高い声。職員便所の方からだ。
ガラスの割れた扉が開く。
銃を持って姿を現したのは……こいつが。
こいつが、スケミを撃ったのか。
真玉橋光が立っていた。少しだけ怯えたような表情で。
「うわ……ミサキに当たっちゃったか」
俺の足元でうずくまっているスケミを一瞥し、マタマは俺に近寄る。
「お互い生きててよかった、マミ」
状況が、理解出来なかった。
193 :1:2007/01/07(日) 19:59:14.41 ID:s936oG6t0
<献身>
僕が目覚めたのは、あろうことかA階段手前の2階廊下だった。
今までの展開、ケイゴが殺されて殺し合いをするとかいうのは夢かと思った。だが違った。
大会規約とかいう紙の入ったリュックがすぐそばに転がっていたから。
直感で、こんなところに居たら殺されると思い、すぐそばの職員便所に駆け込んだ。
怖いので明かりをつけ、個室に逃げ込む。
1時間くらい怯えて過ごしたが、幸いなことに誰もこない。なので僕は寝た。リュックを枕にして。
次起きるのが拓朗とマミの話し声でとは、想像もつかなかった。
声を出してマミ達と合流したいという思いと、殺されるかもしれないという恐怖。
考えているうちに結局マミと拓朗は出て行ってしまった。
畜生、僕の馬鹿。おそらく2組で一番気が弱いのは僕だ。
こんなんだから近藤や岩崎を始め、ケイゴからもからかわれる。
……畜生。畜生。
たぶん、僕はこの殺し合いで生き残るなんて絶対無理だろう。
194 :りんご:2007/01/07(日) 19:59:36.11 ID:OZPsKizF0
桐山クラスの相手を後半でスナイパーライフルで倒すとか妄想してたわ
あと首輪いじって死んだことにしたりとか
195 :1:2007/01/07(日) 19:59:45.46 ID:s936oG6t0
補足:マタマは男。いじめられっ子。
その1 その2 その3 ←いまココ その4
その5 その6 その7 その8
続き、気になりますね。
俺は何時死んじまうのかなぁ、と。
感情移入しすぎ
だが宿題が…
つか>>1は登場してるの?
後で>>1=誰それってのはわかるんだけど、
そこ載せた方がいいですかね?
つか現行スレに行けばすぐにわかるわけですが、数日で落ちるVIPと違って、ブログって閉鎖とかしないかぎり残りますから、>>1さんが名前の一部を変えたりしてるとは言えこういうスレってそれなりに神経使うです('A`)
…PSP?w
2004年に書いたらしい。
いあ、キティタソのお好きなようにー。
バトロワ妄想するやつ(ryスレなのに>>1はでてないのかなーっていう
ちょっとした疑問なんで