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2006年12月12日

('A`)ドクオの気持ちは終わらないようです

http://ex17.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1165914212/

1 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:03:32.08 ID:NSPKsK/90

('A`)「俺・・・お前のこと、好きだぜ?」

ξ゚听)ξ「・・・え?」

ストレートな自分の気持ちをぶつける。

突然の告白を受け、女は頬が赤くなる。

人気の無い裏庭。

若い男女が今、結ばれようとしていた――。

ξ゚听)ξ「あー、ごめん・・・。私、他に好きな人いるから」

('A`)「へ?」

聞き間違いだろうか? うん、そうに違いない。

だってだって、授業中、何回も目とか合ってたんだぜ?

恋愛の本でも、最高の相性って書いてあったんだぜ?

3 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:08:49.26 ID:NSPKsK/90

('A`)「あ、あの。その好きな人って、俺じゃなくて?」

ξ゚听)ξ「当たり前じゃん。何言ってんの?」

('A`)「あ、あぁ〜そうなんだ。ふーん・・・」

ξ゚听)ξ「もういいよね? もう私行くから」

そう言い、俺の好きな――いや、好きだったツンは裏庭を後にした。

残された俺は冷静に状況を確認する。

('A`)「待て待て、冷静に考えよう」

俺はツンが好きだった。だから裏庭に呼び出して告白した。

ツンは、他に好きな人がいるからごめん、と謝った。

すなわち、ここから導かれる結論は――

('A`)「なるほど! 俺は振られたってことか!」

高校2年目の秋、俺の記念すべき31回目の失恋であった。

6 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:14:10.19 ID:NSPKsK/90


('A`)「うっうう・・・バカヤロー!!」

(;^ω^)「だーからツンは無理だって言ったんだお」

(´・ω・`)「まあ、無謀な挑戦だったね」

敗戦から3時間後、神社に俺の叫びがむなしく響く。

俺は近所に住む幼馴染(全員男)どもに愚痴をこぼしていた。

('A`)「ツンの奴だってあたかもその気があるよーな行動とりやがって・・・」

( ^ω^)「ほお、どんな行動だお?」

('A`)「授業中、ずっと見てたらチラチラこっち見たりわざわざ俺の近くで話したり」

(;^ω^)「・・・」

(´・ω・`)「自意識過剰、乙」

ショボンがむなしく結論を下す。

わかってます、それくらいわかってますよー。・・・けどさ、

7 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:17:16.64 ID:NSPKsK/90

('A`)「勘違いしちゃうもんなんだよぉぉ!!」

手が触れた→フラグ

消しゴム拾ってもらった→フラグ

笑顔で話しかけてくれた→超フラグ

( ^ω^)「まあ、漫画とかだとそうかもしれないお・・・」

('A`)「だろ? こいつ俺に気があるのかなーって思っちゃうだろ!?」

(´・ω・`)「けど、僕だってツンに消しゴム拾ってもらったことあるよ」

ショボンが静かにため息をもらし、一言。

(´・ω・`)「つまり、彼女にとって君は特別な人物ではない、その他大勢の一人だったんだ」

('A`)「あ・・・ああ・・・ヴォ」

・・・冷静になって思い返す。

たしかに、自分の妄想で補った部分が50・・・いや、95%を占めている。

8 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:21:54.06 ID:NSPKsK/90

('A`)「ヴェノアー!!」

(´・ω・`)「あ、壊れた」

(;^ω^)「ショボンがはっきり言い過ぎるからだお」

(´・ω・`)「ま、早めに現実に戻してあげないと痛い行動とりそうじゃん」

('A`)「うるせーうるせーうるせぇぇ!!」

俺は発狂する。

そして二人の方を向き、宣言した。

('A`)「俺は金輪際、恋愛をしないぞお!!!!」

生涯最大の宣言。

もう傷つくことは、嫌なんです――

10 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:24:52.95 ID:NSPKsK/90

( ^ω^)「はいはいわろすわろすwww」

(´・ω・`)「何回目だろうね、その宣言」

('A`)「おいおい、俺は今度ばかしは本気と書いてマジ、だぜ?」

俺は腕を組み、フンッと鼻を鳴らす。

女なんてもういらねぇ。

よく考えれば金もかかるし面倒そうだ。いや、絶対にそうだ。

('A`)「俺は女なんて大嫌いだー!!」

俺は夜空に向かって叫ぶ。

星の輝きが、俺の勇気にエールを送っているように見えた。

(´・ω・`)( ^ω^)(絶対1ヶ月持たない(お・・・)

12 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:31:05.05 ID:NSPKsK/90


('A`)「さあ、張り切って今日も学業に励むぜ!!」

俺は学校に来るなり、授業の予習を始める。

将来のために自分を磨く。

そう、俺は今日から生まれ変わるのだ。

(;´・ω・`)「いかんね・・・これは」

( ^ω^)「完全に重症患者ですお」

('A`)「ふ・・・君達もたまには有意義に時間をすごしてみてはどうかね?」

(;´・ω・`)(;^ω^)(きめぇww)

15 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:35:42.49 ID:NSPKsK/90

そんな二人を他所に、俺は一時間目の授業の予習をする。

そしてチャイムと共に担任のモララー先生が入ってくる。

( ・∀・)「うぇーい。ホームルームを始める・・・ってうぉ!」

先生は、その信じられない光景に驚く。

無理もない、いつも赤点スレスレの生徒が勉強をしているのだから。

( ・∀・)「ど、ドクオ・・・お前、熱でもあるのか!?」

('A`)「いえ、別にないですけど」

( ・∀・)「し、信じられん・・・あのドクオが勉強するなんて・・・」

( ;∀;)「やはり、俺の指導は間違っていなかった!!」

モララー先生は男泣きをしている。

大げさだな。まぁ悪い気はしないけど。

16 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:39:46.42 ID:NSPKsK/90

('A`)「先生、早くホームルームやっちゃってください」

( ・∀・)「お、おお。そうだったな」

先生は涙を拭き、いつもの顔に戻る。

( ・∀・)「あー、実は転校生がうちのクラスにくることになってな」

急に教室がざわめく。

どの学校も、転校生というのは特別なイベントの一種なのだ。

女子はイケメンを期待し、男子は可愛い子を期待する。

('A`)(ま、俺には関係ない話だ)

俺は自分磨きに戻るべく、予習を続ける。

( ・∀・)「えー、ラウンジ県から転校してきたしぃ君だ」

(*゚ー゚)「えっと、しぃです。みなさんよろしくお願いします」

男子から歓声が上がる。

・・・女子か。ふ、くだらん。

17 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:43:53.56 ID:NSPKsK/90

俺は転校生に見向きもせず、予習を終える。

( ・∀・)「それじゃあ席は・・・うん、そこを使ってくれ」

(*゚ー゚)「はい」

そう言うとしぃ、と呼ばれた転校生が教室を歩く。

その足音が近づいてくる。

やがて、その足は俺の隣で止まった。

('A`)「・・・ん?」

隣の席に視線を移す。

ふと、そこに座った人と目が合った――

(*゚ー゚)「あ、よろしくね」

('A`)「――!!」

電撃が体中を走った。

脳内からアドレナリンが放出し、一気に脳細胞が入れ替わる。

これは、これは――!!

18 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:48:06.98 ID:NSPKsK/90

('A`)「ふ・・・俺ドクオ、よろしくな」

(*゚ー゚)「うんwよろしくね」

素早くポケットから手鏡を出し、髪型をチェック。

手で髪の毛を大雑把に整え、さりげなく笑顔の練習もする。

('A`)「ふふ、こんな時期に転校なんて珍しいね」

俺は最高の笑顔を作り、クールに話しかける。

(*゚ー゚)「うん、親の都合でこっちのほうに来たんだ」

('A`)「そうか・・・大変だね。わからないことがあったらなんでも僕に聞いてね」

(*゚ー゚)「うん、ありがとwえっと、ドクオ君」

('A`)(うおおおー!!! なんて破壊力! エンジェルの笑顔か!?)

22 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:51:46.94 ID:NSPKsK/90

俺は動揺を悟られないよう静かに一人微笑む。

('A`)「一時間目の授業は・・・ふ、英語か。朝飯前だぜ」←独り言

(*゚ー゚)「ドクオ君、英語得意なの?」

し、信じられない!!

彼女の方から積極的アプローチだと!?

('A`)「まぁ、ね。多少たしなむ程度だよ。ふふっ(笑)」

(*゚ー゚)「そうなんだ〜すごいなぁ。私は少し苦手だよ」

('A`)「ま、英語なんて所詮言語。コツを掴めば簡単だよ。ふふっ(笑)」

なんてこった・・・彼女に関心されてしまった。

これは、まさかフラグなのか!?

27 :猪(病気がち):2006/12/12(火) 18:55:51.18 ID:NSPKsK/90

('A`)(神よ、あなたはまだ俺を見捨てていなかったのですね!)

初めて神の存在に感謝した。

そうしているうちに英語の授業が始まる。

さっき予習したので、いくらバカな俺でも内容は理解している。

(*゚ー゚)「ここ、どうやるのかなぁ・・・」

おっと、困っている女を見過ごすほど俺は腐っちゃいないぜ?

('A`)「ここの日本語訳はトムはプレイボーイです、だよ」

(*゚ー゚)「ドクオ君、ありがとう」

('A`)(エンジェルスマイル――!! うほぉぉぉぉぁぁぁぁあ!!)

33 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:00:45.34 ID:NSPKsK/90

幸せなら手を叩こう♪

しーあわっせなら手を叩こう♪

心の中で自然と歌が流れ、俺のテンションゲージが大幅に振り切れる。

('A`)「っふ、この程度のこと礼にはおよばないさ(ニヤリ」

クールに、あえてクールに振舞う。

これぞ今時のちょいクール男。

俺は心臓を激しく鼓動させながら、その授業をクールに乗り切った。

('A`)(もしこれがドラマ化されたら、俺の役はキムラタクマだな・・・ふふ)


41 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:06:21.50 ID:NSPKsK/90


('A`)「あいあいあいあーん♪」

(´・ω・`)「氏ね」
( ^ω^)「失せろお」

('A`)「ちょwwそれが10分休みに訪れる友人に対する口かww」

俺はブーンとショボンの席にやって来る。

うんざりするほど見飽きた面子だが、今日は何故か心地よい。

('A`)「むふ、むふふ」

(;^ω^)「きめぇwww」

俺は自然にこぼれる笑みを必死でこらえる。

そう、今の俺の状態を言葉にするならエクザエリィ←勝手に作った言葉

('A`)「いいこと教えてあげようか♪」

(´・ω・`)( ^ω^)「聞かない」

俺はワクワクと目を輝かしている二人に言う。

43 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:13:23.50 ID:NSPKsK/90

('A`)「恋・・・始まりました」

ああ、恋。なんと素晴らしい響きだろう。

ワンダフル、いやアンビリーバブル・・・

('A`)「言葉では言いあらわせないの〜♪」

(´・ω・`)「ああー・・・始まってしまった」

( ^ω^)「32回目が始まってしまったお・・・」

('A`)「へへ・・・お前ら俺が先に彼女作ったからってやきもち焼くなよ?」

(´・ω・`)「何を・・・言っているんだ。彼は一体何を言っているのだ!!」

( ^ω^)「だめ、だめよ! 落ち着いて、誰かー! 救急車を!」

('A`)「ふふ、お前ら可愛い奴らだ♪」

嫉妬にまみれる二人を他所に俺の頭に想像が広がる。

46 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:17:45.54 ID:NSPKsK/90



庭付き一戸建て、決して大きくはないが駅が近く落ち着いた感じの家だ。

朝は彼女の味噌汁の匂いで目が覚める。

('A`)「うーん、もう朝かぁ・・・」

(*゚ー゚)「あら、あなた。おはよう」

('A`)「ん、おはよう・・・。ってあぁ! もうこんな時間じゃないか!」

俺は慌ててパジャマを脱ぎ、スーツに着替える。

そのまま顔を軽く洗って目を覚まし、鞄に書類を詰め込む。

('A`)「どうして起こしてくれなかったんだ!

(*゚ー゚)「やだ、今日は日曜日よ?」

('A`)「・・・へ?」

ふと、その言葉で我に返る。

そうだ、今日は日曜日で仕事は休み。だから目覚ましもかけていなかったのだ。

50 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:21:33.59 ID:NSPKsK/90

('A`)「なぁんだ。焦っちまったぜ」

(*゚ー゚)「ふふ、あなたって本当にあわてんぼうねw」

('A`)「こいつぅ♪」

(*゚ー゚)「きゃっwもうこんな所で〜危ないでしょー」

日曜日の朝、二人で子供のように戯れる。

そうだ、子供が生まれたら犬も飼おう。

そんな幸せをかみ締め、今日も俺の一日が始まるのであった――




( ^ω^)「あのー、もしもーし」
(´・ω・`)「勝手に終わらせられてもすごく困るんだけど・・・」

53 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:27:23.32 ID:NSPKsK/90

('A`)「ま、お前らも結婚式には招待してやっぜw」

出来ることならこの幸せをこいつらにも分けてやりたいくらいだ。

俺は輝かしい未来を見つめ、自然と笑みが浮かんでくる。

( ^ω^)「もう突っ込まないお。ただ・・・」

(´・ω・`)「君の結婚予定の方、なんかちょっかいだされてるよ?」

('A`)「ふふ、もう後ろから抱きつくのは・・・ってなにぃ!?」

その言葉で我に返り、しぃの方を見る。

すると、しぃにある男子生徒が気さくに話しかけていた。

57 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:30:58.58 ID:NSPKsK/90

( ,,゚Д゚)「そうなんだ。まぁどこも似たようなモンなんだな」

(*゚ー゚)「うん、でも意外だなぁ。私、こっちのことあまり知らないから・・・」

( ,,゚Д゚)「あ、じゃあよかったら案内しようか? 結構いいお店しってるんだ」

(*゚ー゚)「ほんと? じゃあお願いしちゃおっかな」

な、なんだあれは!!

どこの馬の骨じゃけんのぉ!? おおぉ!?

('A`)「俺の嫁にちょっかい出しやがって・・・ちょっといってくらぁ」

( ^ω^)「ちょ――」

俺はブーン達の席を離れ、しぃの方へ向かう。

なんだ、なんだなんだ何様だあの野郎!!

あれは、確か硬派気取りしてるギコ。

('A`)(ヤロー、硬派ぶっといて人の女に手を出すとは・・・許すまじ)

俺の闘志に火がついた。ついでに油も注がれた。

まさに心はヒート、思いはバーニング状態である。

61 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:38:01.62 ID:NSPKsK/90

( ,,゚Д゚)「それじゃ、携帯の番ご――

('A`)「はーいちょっとすいませんねぇ」

ギコとしぃの間をわざと横切り、自分の机の中を探る振りをする。

('A`)「あ、つぎは数学の授業だ! なんと、教科書を忘れてしまったー」

( ,,゚Д゚)「・・・」

完全にタイミングを外されたギコは手をポケットに入れたまま呆然としている。

愚かな。その悔しそうな表情、化けの皮がはがれてるぜ?

('A`)「ごめん、しぃさん次の授業、教科書見せてくれない?」

(*゚ー゚)「え? うん。別にいいよ」

('A`)「よかったー! いや、ほんと助かった! ありがとうな!」

(*゚ー゚)「え、う、うん。どういたしまして・・・」

・・・決まった。

さりげなく教科書を見せてもらうというイベントのフラグを立てつつ

ギコのトークを砕く見事なまでの作戦だ。

64 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:43:07.48 ID:NSPKsK/90

('A`)・・・(ニヤリ)

行き場を失ったギコを見て、勝ち誇ったように視線を送る。

そしてそのまま自分の席に座り、ギコの入る隙はまったく無い一連の動作。

('A`)(3・・・2・・・1・・・)

カウントが0になる。その瞬間、授業開始のチャイムが鳴り響いた。

('A`)「あーチャイムが鳴っちゃった! ほら、みんな席につかないとダメだぞ!」

言いながらギコをチラ見、激しくチラ見。

もういっちょおまけにチラ見した。

( ,,゚Д゚)「・・・そ、それじゃ」

(*゚ー゚)「う、うん」

('A`)(ふ・・・ふははは・・・!!)

愚かだ、滑稽だ!! 俺は心の中で大いに笑い、勝利に酔った。

これで間違いなく俺>>>>>>>>越えられない壁>>>>>深海>>>>>>クソギコ

という方程式が完成しただろう。

73 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:48:51.50 ID:NSPKsK/90
(*゚ー゚)「机、くっつけようか?」

('A`)「あ、おう。頼むわ」

心は酔っていても表面はクール。

それが俺クオリティ。ギコには一生わからんだろう。

(*゚ー゚)「ここの学校の数学って結構難しいらしいね」

('A`)「ああ、そんな噂はよく聞くね。ま、俺はよく知らないけど」

いつも寝てるからワカンネ。

まぁそんなことはいい、それよりもこの密着。

人は密着することにより好感度が高まり、非常に恋に落ちやすいと本で読んだ。

('A`)(しぃの匂いハーハー・・・綺麗な髪・・・ウッ!)

改めて近くにいるしぃの横顔に、俺は授業どころでは無い。

授業に集中する振りをして、少し、また少し近寄る。

(*;゚ー゚)(なんか・・・さっきより近いなぁ)

78 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:53:38.03 ID:NSPKsK/90
('A`)(ああ・・・幸せだ・・・)

女性特有の香りとフェロモン。

いや、それはまさに天使のものであった。

俺の周りを天使が舞っている。

皆、俺たちのことをおめでとう、おめでとうと祝福する。

('A`)(みんな、ありがとう。うふふ、うふふふふ――)

(*;゚ー゚)「あの、ドクオ君・・・?」

不意に現実がリターンしてくる。

その声に、俺はすぐさまクールモードに入った。

('A`)「ん? なんだい?」

(*゚ー゚)「その、ノートに何も書いてないけど大丈夫?」

ん、ノート? ノート・・・

('A`)(ほわっちゃああああああ!?!?)

黒板にはすごい量の計算式、方程式が書き込まれていた。

83 :猪(子持ち):2006/12/12(火) 19:58:11.82 ID:NSPKsK/90

('A`)「はは、あ、頭の中で解いちゃってさぁ。それで書くのはナンセンスだろう?」

(*゚ー゚)「え、すごい! 数学も得意なんだ!」

('A`)「ま、まあね。オールマイティですよ、俺は。ははは・・・」

えー、非常にやばい。ただでさえ赤点です。

先生に土下座する方法は去年使ってしまいました。

でも今更ノート書けない・・・

('A`)「ごほんごほん!」

咳で落ち着かせる。まずい、今当たったら非常にまずいですよ・・・

俺は腹に力を入れ、神に祈る・・・

('A`)(あたるな・・・あたるなよー!!)

だが、それが失敗だった。

急に緊張と不安に襲われた俺の腹が悲鳴を上げ始めたのだ。

('A`)(ぐ、わ、あ、あ、あ、あ・・・!!)

87 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:02:17.35 ID:NSPKsK/90
ふふ、ふふふ。

冷や汗が垂れてくるぜ・・・ここは戦場。

腹という名の戦場で、善玉菌と悪玉菌が戦いを繰り広げている。

('A`)「お・・・おふぅ・・・」

(*゚ー゚)「ん、どうしたの?」

('A`)「い、いや。なんでもないでござる・・・」

しまった、冷静な口調が僅かに乱れる。

この腹痛はやばい、危険度MAXだ。

その時、第一波が俺の善玉菌を巻き込み、本州に上陸した。

('A`)(うおおおおおぉぉ・・・おぉぉひゅうう・・・ひゅう・・・)

ゴロゴロと雷鳴が響く。

俺の腹の中ではち切れんばかりに門をこじ開けようと反乱が起こっている。

神、神よ! 我に加護を与えたまえ・・・っ!

93 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:06:47.89 ID:NSPKsK/90
「よーし、この問題を・・・今日は12日だから、ドクオ!」

('A`)「ひゃい!?」

「何をやってる、早く前に来て解きなさい」

なんという不幸・・・!!

腹痛と数学の問題という二つの波が俺に押し寄せているっ・・・!

(*゚ー゚)「頑張ってねw」

('A`)「う、うぇい」

もはや・・・言葉を出すとあっちも出る。

衝撃、衝撃を与えないように静かに立ち上がるのだ。

腹を、腹を守るべく中腰、そして猫背。

('A`)(善玉菌よ・・・! たのむ、もってくれ!!)

俺の内と外の戦いのゴングが鳴った。

俺が最後の戦いに挑むようです・・・ふ、映画化決定・・・っ!

100 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:13:21.00 ID:NSPKsK/90

ふらふらと猫背で前へ行き、黒板の前に立つ。

「お前、なんでそんな猫背なんだ?」

('A`)「べ、別に・・・」

冷や汗が垂れる・・・。もはや返事をする余裕も無い。

はやいとこやってしまおう、そう思い問題を見る。

('A`)(これは、なんという方程式・・・! 一目見ただけで無理と悟ってしまった!)

チョークを手に取る、だが、書けるものなど何も無い。

だが、しぃの前で数学が得意、と見栄を張った以上やらないわけにはいかない。

その時、無常にも第二波が防波堤を越え、都市に襲い掛かった。

('A`)「ハッグォ・・・な、なるほどぉ・・・」

そう来たか、俺は静かに精神を集中する――

101 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:16:32.61 ID:NSPKsK/90

神「あなたは、私を信じますか?」

('A`)「はい、信じます」

神「永遠の信仰を誓いますか?」

('A`)「はい! だから、この苦しみを解いてください!」

神「いいでしょう・・・ハッ!!」

光が溢れる。

聖なる加護が俺の体を包み、体の全細胞がそれに答える

そして、世界が流転し腹痛が綺麗に消えて――


ぶりぶりぶりべちゃべちゃっぶりぶりべちゃっべちゃべちゃぶりぶりぶり!!!!
ぶぼぼぼぼぼぶりりりりりぶちゃ!!!!!


世界は、消滅した。

108 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:18:42.95 ID:NSPKsK/90
('A`)「・・・」

(*゚ー゚)「・・・」

(´・ω・`)「・・・」

( ^ω^)「・・・」

( ,,゚Д゚)「・・・」


くるり、と俺は先生の方を向く。

('A`)「先生、トイレいってきて、いいですか?」

そのズボンからは聖なる雫がポタポタと垂れている。

113 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:24:39.78 ID:NSPKsK/90



そして――そして、そして。

俺は、トイレでその惨状をじっと見る。

消滅したパンツは、その脅威ゆえ誰一人として生き残った住民はいなかった。

('A`)「それが世界の洗濯か・・・」

そう、人間など無力だ。

いざと言う時、一人ではどうすることもできないのだから。

その惨劇の被害の恐ろしさに、ただ呆然とトイレで立ち尽くす。

ふふ、神だけに、紙に掛けやがって・・・
119 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:27:47.30 ID:NSPKsK/90
(´・ω・`)「おーい、大丈夫・・・ってこれは臭い」

( ^ω^)「どうみてもうんこですお。本当に(ry」

・・・外から、声が聞こえてきた。

ブーンとショボンの、俺がよく知る声だった。

('A`)「・・・なんだよ、お前ら」

壁越しに話かける。

笑いに来たのだろうか、ふふ。それはそうだ。

さっきまで幸せの絶頂にいた男が、今はこの有様なのだ。

128 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:33:41.43 ID:NSPKsK/90
( ^ω^)「ドクオー、お腹大丈夫かお?」

(´・ω・`)「着替えも保健室から持ってきたよ」

ブーンとショボンは俺にやさしく声を掛ける。

('A`)「・・・同情かよ。いいよ、お前ら笑いにきたんだろ? 存分に笑えよ」

俺はトイレの脇に小さく丸まって座る。

惨めだ。惨め過ぎる。

下半身裸で上は学ラン。まさに負け組、まさに敗者。

(´・ω・`)「病人が何言ってんだか」

( ^ω^)「病人にかっこいいもかっこ悪いも無いお。早くでてきて着替えるお」

('A`)「お前ら・・・」

不意に、目頭が熱くなる。

なんで、だよ。なんでそんなに優しくしてくれるんだよ・・・っ

('A`)「俺、俺は・・・」

感情が言葉にならない。自然と涙が目から溢れてくる。

129 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:36:51.91 ID:NSPKsK/90
ガチャリ、と鍵を開け、トイレから出る。

('A`)「お前ら・・・俺は、俺はこんな惨めな姿なんだぞ!?」

学ランと震える息子をさらけ出す。

その腕には、聖なる裁きを受けたズボンとパンツ。

('A`)「ほら、惨めだろ! 笑え、笑えよ!!」

俺はこれでもか、と言わんばかりに仁王立ちする。

その目には涙が溢れ、視界が歪んでいた。

(´・ω・`)「ドクオ・・・」

( ^ω^)「・・・」

二人は、優しい目をしてドクオに近づいていく。

132 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:40:43.94 ID:NSPKsK/90
(´・ω・`)「大丈夫、大丈夫だよ・・・」

( ^ω^)「ほら、早くこれに着替えるお。風邪ひいちゃうお?」

そう言いながら、ブーンは俺に着替えを差し出す。

('A`)「お前ら・・・うわぁっぁぁあん!!!」

俺は、泣いた。

息子も隠さず、盛大に泣いた。

嬉しかったのだ。優しさが、ぬくもりが。

('A`)「おれ、俺もう駄目だと思ったよぉぉ!! 怖かったんだよおお!!」

(´・ω・`)「うん・・・うん・・・っ!」

( ^ω^)「大丈夫・・・もう大丈夫だお!」

二人は俺の話をしっかりと受け止める。

彼らの目にもまた、涙が溢れていた。

139 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:45:29.43 ID:NSPKsK/90
('A`)「俺、俺、うんこもらした時もう駄目だと思った!!」

やがて、俺は不安だった気持ちを全てぶちまける。

('A`)「もう明日から学校来れないって、お前らも愛想つかしてもうだめだと思ったっ!」

嗚咽をしながら、俺は続ける。

('A`)「だけど、お前らが来た時、急に嬉しくて・・・安心して・・・っ!」

(´・ω・`)「ドクオ・・・バカだなぁ」

ショボンも涙を浮かべ、鼻をすすりながら言う。

(´・ω・`)「僕達は、どんなことがあったって友達だよっ!」

( ^ω^)「そうだお! 苦しい時は僕らに甘えてもいいんだお!!」

( ;ω;)「うっ・・・いいんだお。ドクオ、甘えていいんだおっ・・・」

三人の泣き声が、男子トイレに響く。

俺たちは、泣いた。思う存分泣いた。

148 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:50:42.24 ID:NSPKsK/90


('A`)「・・・よし、着替えたぜ」

( ^ω^)「おっおww着替え終わったかお?」

(´・ω・`)「教室と廊下のやつは僕達が掃除しといたから」

('A`)「おう、何から何まで悪いな」

俺たちはトイレの前で話していた。

やがて、チャイムの音が学校に鳴り響く。

(´・ω・`)「やば、3時間目始まるんじゃね?」

( ^ω^)「うーん、どうするお?」

俺は、二人に向かって微笑みかける。

そのアイコンタクトを二人は受け取り、頷いた

('A`)「たまには、さぼりもいいんじゃね?」

157 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:57:35.55 ID:NSPKsK/90

( ^ω^)「おっおw大賛成だおw」

(´・ω・`)「そうだね、今いっても気まずいしね!」

二人は乗り気で答える。

俺は濡れたズボンとパンツをビニール袋にくるみ、手に持つ。

('A`)「んじゃ、とりあえずゲーセンでダンレボでもやるか!!」

(´・ω・`)「いいねぇ、負けた人はアイス奢りで。」

( ^ω^)「その勝負乗ったお!!」

('A`)「んじゃ、行きますか!!」

三人は階段を降り、下駄箱へと向かう。

本当に、心から楽しそうに笑いながら、歩く。


164 :猪(カビ):2006/12/12(火) 20:59:46.54 ID:NSPKsK/90
――俺のお話は、これでおしまいだ。

けど、俺たち三人の友情は、ずっと、ずっと続く。

たとえ神がいようとも、ね。

神は世界を滅ぼし、そこに新たな世界を作る。

それはいいことかどうかわからない.

けど、どんな脅威が来ようとも消えない絆だってある。

その絆の強さは人それぞれで違うけれど

俺達のこの気持ちは、終わらないのは確かだった。




            fin





172 :◆NscXkUt6VE :2006/12/12(火) 21:02:26.34 ID:NSPKsK/90
これで('A`)ドクオの気持ちは終わらないようです は完結です。
たとえ、この物語が終わってもみなさんの心には残ったものがあるのではないでしょうか?
この作品を通じて、みなさんの気持ちに何か響いたのなら、作者として本望です。

読んでくれて本当にありがとうございました。


175 :猪(36才):2006/12/12(火) 21:02:54.98 ID:Hw830Xua0
>>172

楽しかったぜ

176 :塩ザケ:2006/12/12(火) 21:02:55.34 ID:zhSN4ueW0
ちょwwwwwwww解決してねえwwwwwwwww

177 :年賀状(来なかった):2006/12/12(火) 21:03:04.28 ID:558d9A700
>>172
正直な話




うんこしかねえよwwwwwwwwwwww






この作者さんの他の作品もどぞー。
('A`) ドクオのペンは進まないようです」(オムライスさん)


今回、ちょっとだけいつもの読物とまとめ方が違うんですけど、どうですかね?('A`)
っていうか、そもそも読物系の需要ってあるのかな?
posted by キティ at 22:48 | このエントリーを含むはてなブックマーク | Comment(13) | TrackBack(0) | 〆(・ω・ ) ヨミモノ
(「・ω・)「 お世話になってるヨソ様ー
海の幸 (VIP)
山の幸 (etc)


この記事へのコメント
  1. 友達がいるっていいな。
    それだけ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月12日 22:57
  2. こういう友達がいる人は彼女がいるよりも恵まれてる
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月12日 23:17
  3. ('A`) ドクオのペンは進まないようです
    と同じ人かよwwww
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月12日 23:32
  4. キティタンすごくいいよーいいよー
    しかしうんこは強烈だなw
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 00:25
  5. >('A`)「それが世界の洗濯か・・・」
    ここで吹いたwwwwww
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 00:49
  6. >米6
    同じくwwwww
    今の俺の状態を言葉にするならエクザエリィ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 01:19
  7. 異性より友達ですね、やっぱ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 01:37
  8. 友達は偉大だ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 01:59
  9. 友達<<<<<越えられない壁<<<<<うんこ
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 09:15
  10. 読み物好きですお(^ω^)
    Posted by at 2006年12月13日 10:08
  11. >>米6
    >>米6
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 11:12
  12. 知り合いはたくさんいるけど友達がいないから困る。
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2006年12月13日 22:41
  13. テラウンコwwwwwwwwww
    Posted by 名乗るのマンドクセ('A`) at 2008年01月07日 21:36
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