441 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:18:22.96 ID:/i7+9xim0
桑田「・・まぁ、はい。。」
さわ子「・・・けど、どうしてでしょうか・・あの子達ならもしかしたらって思えるんです。・・ふふ、教え子だからでしょうかね?不思議なんですけど・・・。」
桑田「・・・それは・・実は俺も少し感じています。彼女達には暗い影が全く見当たらないし、明らかに他とは違う何かがある。」
さわ子「・・はい。」
桑田「・・・でも・・」
さわ子「・・えぇ、わかってます。あの子達の力だけではどうにもならない事もあるんですよね・・・?」
442 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:25:41.53 ID:/i7+9xim0
さわ子「・・どの世界もそうなんでしょうね・・・強い力に、小さな主張は通らない・・それが例え、どんなに正しくてどんなに理想的な事でも・・。」
桑田「・・・」
さわ子「・・・でも。」
さわ子「強い力を持っている人も、そんな不条理な中を生き抜いて来た筈なんですよね。」
桑田「・・・」
さわ子「あの子達だけの力で何とかならなくても、同じ事を思ってる人があつまれば・・強い力を持ってる人達の中に、それに賛同してくれる人がいれば・・・・
若い力が変化を促していけば、きっと世界も変わって行くんじゃないでしょうか・・」
桑田(・・・!)
さわ子「・・なんて都合良すぎでしょうかね?ふふ。」
445 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:31:47.80 ID:/i7+9xim0
桑田(他の人達の理解・・・特に上の人間の・・・考えた事もなかった・・・。)
さわ子「・・・なんかおかしなお話をしてしまいましたね。とにかく、あの子達と早く仲直りをして欲しいと思ってお呼びしたんです。」
桑田「・・・」
さわ子「あの子達にとって・・・桑田先生はもう仲間であり、恩師なんですよ。」
桑田「恩師・・・。」
さわ子「うふふ、赴任一週間で、凄いですね。先生。・・・では、私はそろそろ失礼します。また明日、学校でお会いしましょうね。」スタスタスタ
446 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:40:28.57 ID:/i7+9xim0
桑田「・・・」
桑田(若い力・・世界を変えて行く力。)
桑田(力を持つ上の人間がそれに力を貸せば・・もしかすると・・)
桑田(・・いや、それでも、そんなに簡単な問題じゃない。そんな簡単に変わるんなら、もうとっくに変わっている筈だ。)
桑田「でも・・・」
音楽を音楽として心から楽しめる世界。仲間で、みんなで笑いながら楽しめる世界。金や力関係に気兼ねすることなく、純粋に音楽に向き合える世界・・・
そんな音楽業界がそんな世界になれば、どんなに素晴らしいだろう。
・・そう。
桜高軽音楽部のようになれば。
449 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:46:42.31 ID:/i7+9xim0
忘れかけていた音楽の楽しさ。
心から音楽を楽しむなんて、そんな当たり前の事をどうして忘れていたんだろう。
・・思い出させてくれたのは、紛れも無くHTTのメンバー達だ。
彼女達が、純粋な、本当の気持ちに呼び覚ましてくれた。
当たり前で、一番大事な事を・・・。
桑田(・・・俺は。)
一瞬とは言え、彼女達の笑顔を奪ってしまった。
彼女達は何も悪くないのに、ただ純粋に音楽の道を進みたがっているだけなのに・・・。
451 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:55:22.07 ID:/i7+9xim0
自分は、彼女達に礼を、・・そしてお詫びをしなければならない。大きすぎる礼、大きすぎる詫びを・・・。
桑田「・・・」
桑田は何をすべきか思考を巡らしつつ、店を出て自宅へ向かった。
452 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 12:56:02.04 ID:/i7+9xim0
次の日、昼休みの職員室
ガラガラガラ
律「・・・」キョロキョロ・・・
さわ子「あら、田井中さん。」
律「あ、さわちゃん・・・えっと・・その、くわっちょは・・」
さわ子「・・あぁ・・・桑田先生ね、・・・今日、学校休んでるのよ。」
律「・・え!?」
456 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 13:02:37.12 ID:/i7+9xim0
律「・・え!?」
さわ子「私も後で連絡してみるけど・・・」
律「どうしよう・・私が酷いこと言ったから・・くわっちょそれで学校来れないんじゃ・・グスッ」
さわ子(・・・うふ、ほんとに、この子ったら・・)
さわ子「大丈夫よ、田井中さん。桑田先生、多分本当に体調崩してるのよ。だから心配しないの。」
律「・・・でも・・でも・・・」ウルウル
457 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 13:08:55.67 ID:/i7+9xim0
さわ子「田井中さん。」
律「ん・・・何?」
さわ子「桑田先生を信じましょう?きっと来てくれるって。ね?」
律「くわっちょを・・・」
さわ子「それとも、桑田先生の事は信用できない?嫌いになっちゃった・・?」
律「・・・!そんな事ない!」
460 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 13:14:07.20 ID:/i7+9xim0
さわ子「それじゃあ・・」
律「・・・」
さわ子「待ってあげましょう?」
律「・・・ぐすっ」
さわ子「ね?」
律「・・うん・・・」
さわ子「・・・よし♪・・じゃあ、教室戻りなさい?授業始まるわよ?」
463 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 13:23:51.58 ID:/i7+9xim0
律「うん・・・わかった。・・・さわちゃん。」
さわ子「なぁに?」
律「ありがとう。」タッツタッツタッ・・・
さわ子(・・・ふふ、素直になっちゃって・・・。)
キーンコーンカーンコーン・・・
さわ子「・・あ!授業授業!」
さわ子「えーん、もう、桑田先生の穴埋めが私になるなんてぇ!
・・・何か奢って貰いますからね!もう!・・・」タッツタッツタッ・・・
464 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 13:29:32.53 ID:/i7+9xim0
放課後
ガチャッ
梓「・・あ、先輩達・・」
律「おお梓、おはよう。」
唯「あずにゃん、おはよう。」
梓「おはようございます・・あの、桑田先生は・・」
澪「・・あぁ、今日学校休んでるんだそうだ。」
梓「・・・え?」
466 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 13:36:17.94 ID:/i7+9xim0
唯「・・・」
律「・・・大丈夫だ、みんな!」
澪「律・・」
律「明日になればまた来るって!あのくわっちょだぜ?謝りに行けば笑って許してくれるし、大丈夫だよ!な!みんな!」
紬「りっちゃん・・」
律「大丈夫、大丈夫だよ、くわっちょは・・・!」
475 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 14:21:49.83 ID:/i7+9xim0
唯「うん・・うん、そうだよね!くわっちょだもんね!」
律「そう。そうだよ唯!」
梓「そうですね・・桑田先生、優しいから・・・」
澪「もう、仲間だもんな。」
唯「うん!くわっちょがいなきゃもう軽音部は成り立たないよ!」
律「よっしゃ!じゃあみんな!コンテストへ向けて練習するぞー!」
皆「おー!」
しかし、次の日も、その次の日も。
桑田は学校には来なかった。
478 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 14:29:45.90 ID:/i7+9xim0
準備室)
唯「くわっちょ、今日も来ないのかなぁ・・・」
梓「先生・・」
澪「・・なぁ、律、先生一人暮らしって言ってたよな?もしかして、本当に体調崩して動けなくなってるんじゃ・・」
律「そ・・そんなまさか、学校には休みの連絡入れてるだろうし・・」
紬「そ・・そうよね、ふふ・・」
さわ子「それがね?みんな。」
律「わぁ!さわちゃん!?」
梓「先生、どうしたんですか?」
479 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 14:36:30.84 ID:/i7+9xim0
律「わぁ!さわちゃん!?」
梓「先生、どうしたんですか?」
さわ子「今日は、学校に連絡が来てないの・・携帯にも連絡をしてるんだけど、出てくれなくて・・」
澪「そんな・・まさか本当に・・」
唯「くわっちょ・・」
律「・・みんなでくわっちょの家に行こう!
480 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 14:37:11.71 ID:/i7+9xim0
梓「で、でもいきなり行ったら・・」
律「こんな時に迷惑も何もないだろ!もし、くわっちょが本当に病気で苦しんでたら・・・・くわっちょを見捨てておけるか!」
澪「律・・うん。そうだな。」
唯「みんなで行こう!くわっちょを助けなきゃ!」
さわ子「・・・本当に、あなた達は・・・。ちょっと待ってなさい。職員室で桑田先生の住所聞いて来てあげるわ。」
唯「ありがとう!さわちゃん!」
さわ子「いいのよ。それじゃあ、行ってくるわね。」スタスタスタ
481 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 14:43:29.62 ID:/i7+9xim0
紬「それじゃあ、支度しましょう?」
梓「そうですね。さわ子先生が来たらすぐに出発できるように!」
律「よし!行くぜみんな!」
唯「ギー太の音聞いたらくわっちょ元気になるかなー?」
律「おぉ!演奏聞かせたら元気になるかもな!」
澪「いや、それは迷惑だろ・・・」
ガチャッ
律「おお、さわちゃん!早かったなって・・えぇ!?」
485 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 14:52:03.40 ID:/i7+9xim0
梓「・・・先生・・・!」
唯「くわっちょ!?」
澪「桑田先生!!」
紬「先生・・・!」
桑田「おー。みんな相変わらず校則に逆らったスカート丈だなぁ。もっと逆らっていいぞ。」
澪「・・・」カァァ
唯「くわっちょ!身体、大丈夫なの!?」
梓「先生!頭、大丈夫なんですか!?」
桑田「ん?身体?どうして?」
桑田「澪ちゃん相変わらずエロい髪してるねぇコレ」
澪「ななななな!見、見ないで下さい!」
486 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 14:53:04.45 ID:3KGE23b60
エロい髪www
487 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 14:53:20.86 ID:ULPruQ/V0
いきなり全開ww
488 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:00:49.12 ID:/i7+9xim0
紬「あらあらまあまあ。」
梓「それで、先生、一体どうしたんですか・・・?学校にも連絡入れずにお休みしてたなんて・・」
桑田「・・あぁ、ちょっとスタジオ借りて篭っててね。」
唯「スタジオに!?」
澪「ど・・どうしてそんな・・」
桑田「・・いや、少し集中したくてな。」
唯「集中?」
桑田「・・・ああ。実は・・・」
律「・・・ふ、ふざけんなよっ・・・!」
澪「り、律・・・」
489 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:08:16.83 ID:/i7+9xim0
桑田「・・・」
律「が・・学校に三日間も来なくて・・連絡も取れなくて・・・それで何してるのかと思ったらスタジオに篭ってたって・・そんな・・心配・・心配するじゃんかよぉ・・心配したんだぞぉ・・何か一言連絡くれれば良かったじゃんかぁ・・ぐすっ・・・くわっちょぉ・・」
唯「りっちゃん・・・」
桑田「・・・そうだな、律。ごめんな。」
律「うるさい、バカ、バカァ・・・」
梓「律先輩が一番心配してたんですよ?」
桑田「律・・・」
律「・・・」グスグス
桑田(ここは律を慰めないと・・教師らしく・・・えっと、教師らしい慰め方は・・)
桑田「律・・ごめんな。」ギュ
490 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 15:11:58.17 ID:3KGE23b60
__[警]
( ) ('A`)
( )Vノ )
| | | |
491 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:14:23.75 ID:/i7+9xim0
桑田「お前の言う通り、連絡くらい・・・でも、悲しくなったらいつでもこの胸に飛び込んでおいで。」
律「な、な、な・・・」プルプル
桑田「ん?」(決まった・・照れてるな?)
律「な に し や が ん だ ぁ ぁ − ! !」パァァン!
桑田「どびゅう!!」
唯(このりッちゃんの‘パアアン!’っていう音。)
澪(これはビンタの音ではありません。」
紬(桑田先生のセクハラに激昂したりっちゃんの拳・・・)
梓(それが音速を超えた音なんです・・・)
桑田「ほ、本当に学校来れなくなっちゃうよ?大怪我する所だったよ?ボク・・・」
律「自業自得だ・・・!」
496 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:24:40.97 ID:/i7+9xim0
(ティータイム中)
さわ子「びっくりしましたよ。戻って来たら桑田先生がKOされてるんだもの。」
桑田「ええ、これが軽音楽部でKO・・なんちゃって!」
唯「あはははははははは!なにそれくわっちょおもしろーい!!」
桑田(・・・ウケた!)
唯以外(・・・・・・)
桑田(唯にだけ!極端に!)
497 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:25:27.58 ID:/i7+9xim0
紬「紅茶が冷めちゃったわ。」
澪「・・それで、律。」
律「ん。」
澪「桑田先生に言わなきゃいけない事、あるだろ?」
律「う、うん・・・」
桑田「告白なら澪ちゃんの方が・・・好みなんだけど・・」
律「・・・」ポグ!
桑田「いふん!」
499 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:32:42.85 ID:/i7+9xim0
澪「こここここ告白告白告白・・・」
唯「あはは澪ちゃん顔真っ赤だよー?」
梓「最近桑田先生のセクハラが激しくなってきた気がします・・・」
律「・・・はぁ、それで、くわっちょ、話ってのは、アレだよ、アレ!」
桑田「アレ?」
律「下ネタじゃないぞ!」
桑田「何も言ってないだろぉ。」
律「・・その、コンテストの事・・・くわっちょは私達の事本気で考えてああやって言ってくれたのに、それなのにあんな言い方して・・悪かったよ・・ごめんなさい・・。」
500 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:38:38.96 ID:/i7+9xim0
澪「でも、私達、やっぱりコンテストに出たいんです。
唯「うん!ここにいる、軽音部のメンバーと一緒に・・!」
澪「それで・・桑田先生。」
桑田「・・・」
律「その・・協力はしてくれなくて良いから、時々練習見に来てくれたりとか・・
後、本番も見に来て欲しいんだ。」
澪「まだ、出会ってから間もないけど・・」
唯「くわっちょは、もう放課後ティータイムのメンバーなんだよ!仲間なんだよ!」
律「・・・だから、せめて一緒に・・見るだけでも、・・・そう、見ていてもらえないかな。」
桑田「・・・」
紬「桑田先生・・・」
503 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:51:12.85 ID:/i7+9xim0
桑田「・・・なんだ、見てるだけでいいのか?」(視姦か?)
律「・・・え?」
桑田「全く、俺が先に謝ろうと思ってたのに・・・ブツブツ」
澪「え?」
桑田「俺も、なんか否定し過ぎたよ。みんなの事、もう他人に思えなくてな。
つい、熱くなっちゃったよ。」
澪「・・・」
桑田「でも・・・あの時言った事は、俺のエゴの押し付けなんだよな・・・
自分が、駄目とわかっていながらそれに対して何も改善させようとしてなかっただけなのに、
偉そうに現実論語ってみんなの夢を奪おうとしていた。」
506 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 15:56:58.01 ID:/i7+9xim0
律「くわっちょ・・そんな事ないよ。」
桑田「実は今日は、やっぱり協力させてもらえないかと思って来たんだよ。」
梓「・・・!先生・・・!」
桑田「今更そんな事言っても駄目かもしれないけど、やっぱり・・・」
唯「駄目な訳・・・駄目な訳ないよ!くわっちょ!」
澪「そうだよ!桑田先生が協力してくれれば・・!」
紬「桑田先生に、これからの私達を見守ってもらいたいです!」
桑田「みんな・・・」
律「・・・よし!そうと決まれば、放課後ティータイム、再活動だぜ!」
全員「おー!!」
507 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 15:59:25.09 ID:BvKqe56u0
私たちのHTTはまだ始まったばかりだ!
〜完〜
508 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 16:00:14.59 ID:ULPruQ/V0
>>507
こら、水差すなww
510 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:01:25.78 ID:/i7+9xim0
唯「・・・あ、そういえばくわっちょ。」
桑田「ん?」
唯「スタジオに篭ってたって、くわっちょ何やってたの?」
紬「そういえばそうね。」
律「なにやってたんだよー?」
桑田「あぁ・・それも言わなきゃならないな。」
澪「?なんですか?」
桑田「これ。」
梓「・・・?これ、CDですか?一体何の・・」
511 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:07:30.82 ID:/i7+9xim0
桑田「コンテストでやる曲って、もう決めちゃった?」
澪「いえ、まだ決定はしてないですけど・・・」
唯「文化祭とかと同じのやる感じかなぁ?」
紬「まぁ、そんな感じよね?」
桑田「実はさ、この三日間、これを作ってたんだよ。」
梓「・・・これ、ですか?」
澪「・・・先生、まさか・・」
桑田「あぁ、俺の曲、みんなにやってもらいたいと思ってスタジオに篭ってたんだよ。
俺楽譜はちゃんと書けないから耳コピしてもらう事になっちゃうけど・・」
512 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 16:09:12.88 ID:BvKqe56u0
紬「マ…マンピーの…Gスポット?」
513 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 16:09:41.85 ID:ULPruQ/V0
>>512
さっきからおまいさんはwww
514 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:15:04.43 ID:/i7+9xim0
梓「先生・・・!」
紬「凄い、桑田先生の曲を?」
桑田「ああ、もし良かったらだけど・・・」
律「そんなの・・そんなの良いに決まってるだろ!?なぁ!?みんな!」
唯「うん!」
梓「私達の為に・・先生・・」ウルウル
澪「うん、やろう!みんな!」
紬「やりましょう!」
律「よっしゃ!じゃあ聞いてみようぜー!」カチャカチャ
全員「・・・」
律「スタート!」ピッ
‘女呼んで揉んで抱いていい気持ちー♪’
515 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 16:16:16.36 ID:uQMQLd5r0
ワロタwwwww
517 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:19:24.21 ID:/i7+9xim0
梓「・・・」
澪「・・・」
律「・・・」
紬「・・・」
唯「あははー♪なんか面白い曲―♪」
さわ子(歌謡調・・ポップ・・?・・・いえ・・この歌詞は・・ロックだわ・・)
桑田「・・あ、しまった、この曲は息抜きで録っちゃったヤツで・・・」
律「そんなもん一曲目に入れておくなよ!」
桑田「いや、息抜きは大事だぞ。ヌくのは大事。ヌくのは。」
澪「女・・呼んで・・抱いて・・揉んで・・・あははははははは」
520 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:27:46.17 ID:/i7+9xim0
梓「み、澪先輩!大丈夫ですか!?」
唯「あははは!私も息抜き好きだよー!」
桑田「お、唯ちゃん一緒にヌく?」
唯「うん!抜こう抜こうー!」
桑田「じゃあまずおじさんのから・・・」
律「ドルァ!」ドギュ!
桑田「でふん!」
律「・・・それで?二曲目はまともな曲なんだろうな?」
桑田「いだだだだ・・・あぁ、二曲目が本番。」
さわ子(一曲目は前戯だったのね)
521 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 16:29:45.39 ID:uQMQLd5r0
>>520
さわ子wwwww
523 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:39:44.78 ID:/i7+9xim0
梓「はぁ・・・じゃあ、聞きましょうか。」
律「次はまともな曲なんだろうなぁ、全く・・・」ポチッ
澪「・・・!」
紬「・・・まぁ・・」
梓(こ、これ、本当にさっきの曲と同じ人が作った曲なの!?)
唯「綺麗な曲―・・・」
澪(桑田先生の歌声・・そういえば初めて聞いたけど・・・)
律(しゃがれ声で何言ってるかよくわからないのに・・何だろう、この感じ・・)
さわ子(絶対にこの綺麗な曲調と合わないような声なのに・・この組み合わせしかないってくらいに調和してる・・)
524 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:41:12.66 ID:/i7+9xim0
澪「・・・あ。」
唯「いつの間にか最後まで聞いちゃってた・・あれ?みんなも?」
律「・・・あ、あぁ、なんか聞き入ってたみたいだ・・」
梓「・・・はっ、本当だ、終わってる。」
紬「素敵な曲・・」
さわ子(本当、何者なのかしらこの人・・・)
桑田「新しく書き下ろした曲ではないんだけどさ、前に作った曲をHTT仕様に編曲してみたんだけど・・」
唯「・・・良い!凄く良いよ!くわっちょ!」
梓「はい!なんか、上手く言葉が見つからないですけど・・!」
紬「うん・・」
律「とにかく!最高だよ!くわっちょ!」
桑田「そうか、良かった。」
528 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:47:49.09 ID:/i7+9xim0
澪「で・・でも、私達に上手く演奏出来るかな・・こんな凄い曲・・」
梓「・・それは・・・」
桑田「出来るさ。」唯「出来るよ!」
桑田「あ。」唯「あ。」
桑田「・・・はっは、大丈夫。みんななら出来る。・・ちゃんと練習すればな。」
唯「うん!そうだよ!みんな!練習しよう!」
紬「うん・・・!」
梓「そうですね、どっち道、この曲ができないようでは優勝なんて出来ません!」
澪「みんな・・・・うん・・そうだな・・!」
律「よし!じゃあ早速練習始めようぜ!」
529 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:48:30.84 ID:/i7+9xim0
全員「おー!」
律「目指すはコンテスト優勝!」
全員「おぉー!!」
コンテストへ向けた練習が始まる前に迎えた、大きな問題。
それを乗り越えた放課後ティータイムにはより強い結束が結ばれた。
そして。
桑田は正真正銘、名実共に放課後ティータイムのメンバーになったのだった。
532 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:52:06.67 ID:/i7+9xim0
(一ヵ月後、練習中)
桑田「律!またドラム走ってるぞ!周りをもっとよく見ろ!バンマスなんだから!」
律「おう!」
桑田「あずにゃんはプレイが堅実過ぎる!その歳で小さくまとまるな!」
梓「はい!」
コンテストを一ヵ月後に控え、練習には一層熱が入っている。
みんなみるみる腕を上げて行く。若さゆえの伸び白。
桑田はそれを目の当たりにし、
そんな彼女達と活動できる事を誇らしくさえ思うようになっていた。
535 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 16:58:41.69 ID:/i7+9xim0
紬「みんなー!お茶が入ったわよ。」
桑田の方針は単純だった。練習をする時は一気に。
その前後は必ずこうして雑談の時間を取る。
‘結束力’という面でこのメンバーにもはや心配は要らないのだが、
それでもやはりこういう時間は必要だと桑田は考える。
紬「今日はういろうでーす♪」
桑田「おお!名古屋名物!」
決してお菓子とお茶が目当てな訳ではない・・・
そう自分に言い聞かせながら、桑田は主に唯と律と三人でういろうを奪い合うのだった。
538 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:04:48.06 ID:/i7+9xim0
(桑田自宅)
充実。
思えば、元の世界での活動も、充実はしていたのかもしれない。
日々仕事に追われ、人の目に寝る時間すら奪われる。
・・充実の、質が違う。
桑田はそう考えた。
今、自分にとっての音楽は仕事ではない。だが、趣味とも違う。・・もっと不確かで、しかし絶対的な物。
541 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:12:28.68 ID:/i7+9xim0
カテゴライズが変わっただけで、
音楽とはここまで印象が変わってしまう物なのかと桑田は驚いていた。
放課後ティータイム。
この一ヶ月で、彼女達は一気に上手くなった。
元々非凡な物を持っていた事に加えて、
今は桑田の指導により知識が技量も伴い始めている。
(・・・優勝、してしまうかもしれない。)
542 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 17:14:33.02 ID:JBpe8cFP0
優勝しちまったらどうすんだ、、
543 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 17:17:30.27 ID:pDV9oCX30
亀仙人が言ってただろう 優勝すると慢心する
ということは、桑田が出ればいい女装して
545 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:25:18.17 ID:/i7+9xim0
この世界のガールズバンドがどの程度のレベルなのか、
それは詳しくわからないが、
少なくとも自分の世界であったなら彼女達を放っておくプロデューサーはなかなかいないだろう。
稚拙な部分も多いが、それを補って余りある長所。
そして各魅力の絶対値の高さは桑田の目から見てもバカに出来ない。
しかし。
やはり桑田はどうしてもメジャーに行った後の彼女達を憂いてしまう。
実際、桑田はメジャーに上がった後、
現実を突きつけられた夢の死骸をいくつも目にしてきているのだ。
(それが、ここに来た理由のもう一つ。)
桑田「!」
548 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:31:48.64 ID:/i7+9xim0
まただ。
また、何かの声が聞こえた。
今度ははっきり、鮮明に・・。
桑田(・・・理由?)
この世界に来させられた事に、何かしらの意図があるのだろうか。
そんな月9ドラマのような考えが脳裏を過ぎる。
桑田(そう言えば、ここに来る前は音楽の楽しみ方なんて忘れてたけど・・
ここに来てからはそれも忘れるくらい毎日が楽しいよな・・・。)
桑田(・・・!)
桑田(ここに来た理由・・・・・?)
桑田(・・・なんか・・モヤっとした物が・・・喉に何か痞えているような・・
なんだ、この感覚は・・)
553 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:43:58.89 ID:/i7+9xim0
(理由・・・新しい、若い力を守る事・・・それに気付く事・・・机の上ではなく、互いに楽器を持ちながら、共に新しい世界を作り出せる存在・・)
桑田(・・・)
(それが誰なのか・・・)
桑田(・・・)
漠然と、霞ながらではあるが、桑田は自分が何故この状況に置かれる事になったのか、
何の為にここにいるのか・・・理解する寸前の所まで来ていた。
桑田(・・・しかし・・・・。)
それを理解したら、取り返しのつかない事になってしまうのではないか。
何となく、しかし強烈に、桑田はそう思った。
桑田「・・今はみんなの事だけを・・・」
そう呟くと、桑田は頭まで布団を被り眠りに落ちるのだった。
556 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:52:51.60 ID:/i7+9xim0
(一週間後、練習中)
ジャジャ、ジャーン!
唯「ふうー!」
梓「今、凄くいい感じでした!」
澪「あぁ!まさかこんなに早くこの曲が出来るようになるなんて・・!」
律「くわっちょ!どうだった!?」
桑田「・・・・ん!?あ、あぁ・・」
桑田は正直驚いていた。
もちろん、演奏出来るようになるとは思っていた。
曲も原曲より簡単なアレンジにしてはいるのだが・・
559 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 17:58:56.19 ID:/i7+9xim0
桑田(それにしたって、元はプロの、それも有能なサポメン仕様に作った曲だぞ・・)
単純なコピーをしているだけだったなら、そうは驚かない。
しかし、彼女達が演奏するとどうだろう。まるで彼女達の曲なのではないかという錯覚まで起きてくる。
桑田(・・こりゃ、優勝しちまうだろうな・・よっぽどの事がない限り・・・)
562 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 18:05:38.51 ID:pDV9oCX30
原曲だと・・・?
なにひいてるのか興味津々だわ
563 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:05:43.67 ID:/i7+9xim0
紬「桑田先生?」
桑田「・・・あ、あぁ、うん驚いた。
まさかこんなに早い段階でこれだけ弾けるようになるとは。」
唯「へへー!」
律「当然だぜ!」
梓「桑田先生のご指導のお陰ですよ!」
澪「そうです。私達だけだったら、絶対にここまで出来てません。」
桑田(もちろんそれはあるが・・飽くまで俺はきっかけを与えてるだけだからなぁ・・
元々、この子達にはこれくらい出来る力があったって事だ。)
桑田(わからないもんだよなぁ・・こうやって見えない所に才能ってのは埋もれてんだから・・)
565 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:12:30.06 ID:/i7+9xim0
桑田(・・・!)
桑田(埋もれるような世界を作ったのは、俺達なんじゃないのか・・・?)
不意に、そんなニュアンスの考えが頭の何処からとも無く桑田の感情を揺らす。)
何があっても、何が起きても、それが降りかかるミュージシャンの一人一人を、
自分も含めて桑田は‘被害者である’と考えていた。
しかし音楽の世界に足を踏み入れて30年。そんな長い期間、
俺はずっと被害者面をしてなにをやっていたんだ・・・
‘おかしい’‘不条理だ’と思いつつも、その世界の中で上手く生きていく事だけを考え、
結果偏った形に思想は歪められ、自分の保守保身を第一に置くようになった・・・。
30年間も。
569 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:24:34.36 ID:/i7+9xim0
桑田(俺は・・何か出来たんじゃないか・・音楽業界を変えていく何かが・・
それなのに俺は、言い訳ばかりして、‘変えていく’んじゃなくて‘変わっていく’事を選んで・・)
桑田(結果・・・この子達のような存在が埋もれる世界を作ってしまったんだ・・
この子達は・・俺達が表舞台で活動する為の影に埋められていたんだ・・)
桑田(・・・だから、彼女達は光を求めるんだ、表舞台を・・昔の俺と同じように・・。)
桑田(30年間、それは何も変わっていないのか・・。)
桑田(・・でも。)
桑田(今の俺の立場なら・・‘サザンの桑田佳祐’の力なら、
それをどうにか出来るきっかけを作り出す事が出来るんじゃないか・・?)
桑田(影を作らない世界を・・・。)
572 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:29:13.87 ID:/i7+9xim0
桑田(ここに来た理由、か。)
一体誰が、どんな不思議な力が俺をこの世界に呼び出したのか。
そんな事はわからない。
しかし、この世界を・・
この音楽業界を憂う誰かが、何かが俺をここに連れてきたのではないか。
まず一つ、俺に音楽の楽しさを思い出させる為に、・・・そして、音楽が楽しかった頃、
その頃の自分と同じように活動している若者が、今もまだいるんだという事にも気付かせる為に・・
桑田(そして・・・)
桑田(そして・・・・・・)
577 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:39:25.86 ID:/i7+9xim0
この先を、桑田は考えたくなかった。
この世界では、桑田はただの高校教師。何の力もない。
・・しかし、元の世界、‘サザンの’桑田佳祐であれば、力も人脈も、
30年間培ってきた物がある。
桑田はこの世界に来て、音楽の楽しさを思い出し取り戻した桑田は、
今も自分の若い頃と同じように夢を追っている若者がいる事を、
‘教師’という近い場所で目の当たりにした。
580 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:45:29.45 ID:/i7+9xim0
・・桑田がこの世界に来させられた最後にして最大の理由。
それは若き日の自分を取り戻し、
しがらみで満ちた世界に改めて向かい合った桑田が、
その世界を変えていくきっかけを作り出す事。
・・・元の世界に戻って。
582 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:50:58.09 ID:/i7+9xim0
桑田(・・・違う。)
桑田(俺にはこの世界全体を変えていく事なんてできない・・・!)
桑田(しかし、しかしこの子達だけだったら・・)
桑田(この子達だけなら、俺は守っていける。・・・守ってやりたい。)
桑田(でも、俺はこの世界では何の力もない・・)
桑田(俺の力では・・・見守る事しかできない・・・)
584 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 18:54:30.13 ID:/i7+9xim0
桑田はこの世界に来て初めて、‘一般人’となった自分を呪った。
サザンの名前さえ取り戻す事が出来たなら・・・彼女達をこの先も守っていけるのに・・
(・・・そろそろ戻ろうか。)
またあの声が聞こえる。
嫌になる程、はっきりと頭に響く。
・・意識が少し遠くなり、
桑田は薄く目を閉じた。
585 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 18:55:10.91 ID:4gvbg9Ow0
まだ戻るには早いぜ・・・
586 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 18:56:14.59 ID:u54Rc4Da0
代わりに俺が行くしかないな…
589 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 19:00:00.52 ID:ytCwFBBoP
>>586
先生、ギターは弾けないの?
えー、じゃあドラムはー?
…もーいいよ!さわちゃーん
592 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 19:01:39.68 ID:u54Rc4Da0
>>589
おいしいおにぎりならつくれるぜ?
591 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:01:32.70 ID:/i7+9xim0
車のエンジン音が聞こえる。
自分は車の後部座席で眠っている。
これから青山へ行って、アルバム制作の作業・・
・・なんだ、俺はやっぱり夢を見ていたのか。
それもそうだよな。俺が高校の教師で、女子高生に囲まれて・・
エロい事ばっか考えてるからこんな事になるんだ。
あと10分程で到着だ。
594 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:08:21.22 ID:/i7+9xim0
そろそろ起きて、新曲の構想を・・
(・・い!)
(・・・くわ・・せんせい!)
どこからか声が聞こえる。
俺はまだ夢の続きを見ているのか。
そう思いながら何となしに伸びをし・・・
602 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:20:06.14 ID:EQ/5S38n0
桑田(・・違う!)
桑田(俺にはまだ、やり残したことがあるんだよ!)
桑田(頼む・・・!頼む!まだ・・まだ向こうにいさせてくれ!)
桑田(せめて・・せめてあいつらのコンテストまで・・・)
611 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:29:50.21 ID:EQ/5S38n0
(くわっちょ!くわっちょったらぁ!)
(先生!どうしたんですか!?)
桑田「ん・・・」
律「起きてよ・・くわっちょぉー・・・!」
桑田「・・・ここは・・」
戻ってこれたのか、見知った音楽準備室。
周りでは女子高生が5人、自分を取り囲んでいる。
唯「くわっちょ!」
紬「桑田先生!」
619 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:41:56.34 ID:EQ/5S38n0
意識が戻った自分を見て、不安そうな面持ちだった生徒達の顔に笑顔が広まり出す。
・・そうか、俺は練習中、急に意識がおかしくなって・・・
律「うぅ・・うぅ・・くわっちょぉ・・・」
生徒の一人・・そう田井中律が目を真っ赤にして、
今にも流れそうな涙をいっぱいに溜めてこちらを見ている。
・・最初は、俺がただ居眠りをしているだけだと思ったんだろう。
手にはイタズラに使ったと思われる猫じゃらしが握られていた。
624 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:48:19.26 ID:EQ/5S38n0
桑田「律・・・」
律「あ・・あんまり心配させんなよ・・バカァ、心配・・したんだぞ・・」
桑田「・・・すまんな・・。」
律「この・・バカエロ教師・・・ぐすっ・・・」
桑田「ごめんな・・・」
どうやら自分は戻って来れたらしい。・・・いや、再び来させられたと言った方が正しいのか・・
桑田(・・・はは、どっちが俺の本当の世界なんだかわかんないな。)
少なくとも、自分にとっては掛け替えのない物となってしまったこちらの世界。
再びHTTのメンバーと会話が出来る安堵。
631 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 19:57:08.37 ID:EQ/5S38n0
その中で、桑田は一つの事を確信した。
桑田(俺がここにいられるのはコンテストの日まで・・・そう、あと三週間だ・・・三週間しかない・・・。)
桑田(自分が与えられる物・・教えられる事・・・この三週間で、出来る限り彼女達に託そう・・)
桑田(今の俺には、もうそれくらいしか・・)
637 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:04:54.32 ID:EQ/5S38n0
桑田「・・・よし!練習するか!練習!」
唯「・・・え?でもくわっちょ、休んでた方が・・」
梓「そ、そうですよ!」
桑田「大丈夫大丈夫。ビンビンよ。」
唯「びんびん?」
いつもの律の激しい突っ込みが来ない。
あれ、おかしいな・・・そう思って律の方に顔を向けた瞬間。
時間差でやって来た律の後ろ回し蹴りに、桑田は悶絶するのだった。
律「このエロ魔神が!」
梓「女の敵・・・」
唯「びんびんー?憂に何のことか聞いてみようかなぁ・・」
641 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:12:39.84 ID:EQ/5S38n0
桑田(ははは・・・やっぱ良いな、ここは・・・)
痛みに堪えながら、桑田は笑みを浮かべる。
その姿は、女子高生に蹴られて喜ぶドMのそれだった。
それからの三週間。
練習のスタンスは変わらず、集中して練習し、その前後はティータイム。
ただ違う事は、
自分が持っている技術や考えを各メンバーに少しづつ伝授するようになった事だ。
642 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:16:43.70 ID:EQ/5S38n0
例えば、唯と梓にはスライドギター。澪には詩の世界観と自分なりの理論。紬には作曲法。
律にはリーダーとしての心構えや考え方。
彼女達は自発的にそれを家で復習し、着実に自分の技術として取り込んでいく。
今出来る事。伝えられる事。
それを余すことなく彼女達に・・・
今、自分に出来る事はそれしかないのだから。
645 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:24:21.56 ID:EQ/5S38n0
とあるパーティー会場。
コンテストを三日後に控えたHTTのメンバー達に、
桑田は労いの意味も込めてパーティーを用意していた。
桑田(俺は多分、打ち上げにも参加は出来ないだろうからな・・・)
今日で未練は全て断ち切ってしまおう。
そんな意味も込められた、桑田からメンバーへの贈り物だった。
律「こ・・・こりゃあすげぇな・・・」
唯「う、うん・・広いし豪華だし・・・」
紬「あらあらまあまあ♪」
澪「ムギは普通だな・・」
梓「ムギ先輩ですから・・」
さわ子(桑田先生、どこにこんなお金が・・)
648 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:31:47.58 ID:EQ/5S38n0
憂「ね・・ねぇ、おねえちゃん。」
唯「何?憂―。」
憂「わ、私達も来て良かったのかな?こんな凄い所・・・」
和「そうよ、唯、ファミレスとかかと思ったら・・」
桑田「大丈夫大丈夫。」
憂「あ、先生!」
和「招待して頂いてありがとうございます」ペコリ
桑田「いいよ、そんなにかしこまらなくても。それに招待したのは唯や律だしな。」
憂「でも、すっごく豪華・・・」
最後になるのだ。
いくら豪華にしてもやり過ぎという事はない。これでも物足りないくらいだと桑田は感じていた。
聡「・・・ほえー・・・」
澪「中学生には刺激が強すぎたみたいだな。」
律「私達にも強いって!・・全くくわっちょ何者なんだよ本当に・・・」
純「私もいるよー。」
649 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 20:33:28.70 ID:leVqweFB0
いるよー、ってw
652 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:41:27.79 ID:ACVcGBii0
桑田「よし、律!パーティーの音頭任せた!」
律「え?」
桑田「頼みますよ、バンマス!」
唯「いけいけりっちゃん!」
紬「りっちゃーん♪」
律「・・・よーし!みんな今日までお疲れ!そして三日後のコンテスト、絶対に優勝するぞー!」
全員「おおー!!」
654 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:48:32.65 ID:ACVcGBii0
パーティーが始まった。
周りでは笑顔、笑顔、笑顔。
音楽業界全体をこの笑顔で埋め尽くすには、一体どれだけの会場が必要なんだろう・・
と桑田は久しぶりの酒を飲みつつ思いを巡らせる。
唯がエアギターをしている。こんな時までバカな奴だ。
紬は慣れた感じだ。この子には謎が多い。
梓は唯や律に振り回されて目を回している。この子はこのバンドのマスコット的存在だな。
澪はメンバーを気遣いつつパーティーを楽しんでいる。
大人びた良い子だ。主観的に見ると、この子が一番バンマス向きなのではと思える。
・・しかし。
655 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:50:51.90 ID:ACVcGBii0
律。
やはりこの子が引っ張ってきたから、このバンドは成立しているのだ。
破天荒で非常識なのに、何故か周りはついて行ってしまう不思議な求心力。
自分も、それに惹き込まれた一人だ。30年間、
常に音楽業界の第一線を走り続けてきた自分が・・・。
何となく、大学時代の自分と律の姿が重なる。
リーダーとしての振る舞い、気遣い。
そんな律だから、俺はここでこんなに楽しく笑っていられるのだろう。
そんな律だったから、自分は・・・こんなにこの世界に未練を残しているのだろう。
656 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 20:51:46.49 ID:EtSn12k60
これは予想外の猛プッシュ
657 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 20:51:58.51 ID:F+bBkTps0
律大プッシュだな>>1wwwwwww
660 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:53:27.93 ID:ACVcGBii0
桑田「楽しんでるか?」
律「お、くわっちょー!もう最高だよ!ありがとな!こんな凄い所に招待してくれて!」
桑田「あまりハメ外すとお持ち帰りするからなー(笑)」
律「まーたそんな事言いやがって。まぁもう慣れたけどさ。」
桑田「お、じゃあもっとスゴいのを・・・」
律「調子に乗るな!」バシャ
桑田「あー!お前コーラなんてかけやがって・・・」
律「殴られなかっただけありがたく思えっての!」
桑田「教師を敬わない奴だなぁ・・・ったく・・」
律「へんだ!」
661 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:54:43.81 ID:ACVcGBii0
桑田「あのな、律。」
律「なに?」
桑田「俺さ、お前たちと出会って、久しぶりに音楽が楽しいと思えたよ。」
律「?なんだよ?突然。」
桑田「ありがとな。」
律「・・・へへ、よくわからないけど、私達も楽しかったよ?
なんかさ、毎日‘音楽してる!’って感じでさ。」
桑田「そうか。」
律「・・・」
桑田「これから色々あるかもしれないけどな、何があっても、今のメンバーを大事にしなきゃ駄目だぞ。」
律「なんだよくわっちょ、なんか今日変だぞ?」
664 :ぴー ◆GmOthd37QY :2010/05/14(金) 20:57:11.72 ID:ACVcGBii0
律「全くー。なんかもう二度と会えなくなるみたいな言い方じゃんかよぅ。
くわっちょだってメンバーなんだからさ、ずっと仲良くやって行こうぜ!」
桑田「・・・」
律「くわっちょ?」
桑田「・・あぁ、そうできたら良いよな。」
律「そうなるんだよ!」
本当にそうなれば良いのにな。
隣で微笑む、自分の息子よりも幼い少女の横顔をチラリと見て、桑田は心からそう願うのだった。
662 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 20:55:34.58 ID:eluqYlM80
律の声がユースケで再生される
663 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 20:56:14.34 ID:rkYSDn4UP
>>662
おいやめろ
668 :VIPがお送りします:2010/05/14(金) 20:59:16.23 ID:3LM7JsxI0
>>662
おいばかやろう
唯「あ、けいちゃん先生!」桑田佳祐「はいはい。」
その1 その2 その3 ←今ココ その4 その5
早くその4以降をまとめるんだ管理人!
お願いしますよ!
管理人、鬼やw
なんという外道管理人・・・
管理人のこの後のまとめも楽しみにしてるぜー。
実の所けいおんは名前位しか知らねェが、こう絡めると面白ェな。
とりあえずはくわっちょとHTTの今後に期待だw
はやくまとめrいやまとめてくださいお願いします
www.youtube.com/watch?v=9yqDUX8IiDY
澪がマンピー聴いたらどうなることやら・・・
今までSS毛嫌いしてたけど、この人文才あるよな
まとめた管理人もイカしてる
本当に久しぶりだ